第1回 ソフトイーサ株式会社 登大遊会長
  
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                                    |  アキバテクノクラブは秋葉原ダイビルの産学連携フロアに入居した法人を中心に組織され、その活動は現在に至ります。産学連携は勿論のこと、様々な成果が生まれてきています。この産学連携レポートではメンバーの連携に焦点を当て、関係者にインタビューをしていきたいと思っております。1回目はぷらっとホーム株式会社と筑波大学発ベンチャー・ソフトイーサ株式会社の会長 登大遊氏にお話を伺いました。 
                                       ■ベンチャー起業に関連して 
                                         
                                        −ベンチャーの立ち上げのきっかけについて教えてください。 
                                         
                                        個人でVPNソフトウェアを開発し、2003年12月にネット上で公開しました。当初、フリーで数百万のダウンロードがあったことから、商用として売り出そうということになり、その受け皿組織としてベンチャーを立ち上げました。 
                                         
                                         
                                         
                                        −ベンチャーを立ち上げたことによって得られたもの、失ったものを教えてください。 
                                         
                                              起業する前から、終身雇用の崩壊などを見てきているので、個人的には大企業に就職する考えはなく、むしろアメリカのように企業に属することによる様々な束縛を考えれば、自分の能力を信じて、その能力を十分に活用するためにベンチャーを立ち上げて、自由を得られたと思います。逆に失ったものを実感したことはありません。 
                                         
                                         
                                        −会社を設立してから経営やサポート運用で困ったことを教えてください。 
                                         
                                              総務的事務処理業務が増えました。設立当初は自分達で処理して大変でしたが、最近ではアウトソーシング出来るようになりましたので助かっています。 
                                              当初からソフトウェアのサポートはメールで対応しています。テストを兼ね、自社製品のVPNを使い、あらゆる所でのサポート対応を可能にしていますのでサポート運用ではあまり困ったことはありません。 
                                               
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                                       ■ぷらっとホームとの連携と製品開発、戦略について 
                                         
                                        −ぷらっとホーム株式会社との産学連携の概要を教えてください。 
                                         
                                        現在は「PacketixVPN2.0」の販売・サポートをお願いしています。ぷらっとホームはVPNをはじめとしたネットワークの仕組みをよくわかってくださっているから安心して連携ができ、とても頼もしいパートナーです。 
                                         
                                         
                                        −今後の製品展開などを教えてください。 
                                         
                                        アメリカをはじめとして海外向けにPacketixVPNの英語版(β版)を開発し、販売することになりました。今年中には販売を開始する見込みです。また商品としては現在円熟期に入り、開発体制も充実してきましたので、ルータ等の通信機器への組込などによる製品の多様化を図りたいと考えています。 
                                        また、周辺分野の製品として、パケットのログをとるソフトなども開発中です。 
                                         
                                         
                                        −海外戦略をどうとらえているか教えてください。 
                                         
                                              製品の販売戦略として、日本市場のセキュリティの捉え方と異なり、アメリカ市場ではもっと積極的に「利便性」と「経費節減」をセールストークにしています。海外市場ではこのような我々の方針を理解いただいて、当社の製品を使ってもらいたいと思います。しかし、デファクトであるOSに依存しない製品を開発しているので会社を海外に拠点を構えることにメリットを感じません。 
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                                       ■今後の研究・開発・戦略等について 
                                         
                                        −「産学連携」という枠組みの中での今後の戦略を教えてください。 
                                         
                                        筑波大学のインフラ(SIネット)を使用したVPNに関する研究で筑波大学と当社(ソフトイーサ社)で産学連携を行っています。また、この共同研究で得られたデータを元に、大学の先生と論文を共同執筆中です 
                                         
                                         
                                        −今後の研究・開発の戦略があったら教えてください。 
                                         
                                        脳波に関する研究に関心があります。日常生活時とプログラミング時の周波数を図り、その周波数を分析して、より効率の良いプログラミングが可能な周波数の種類とその周波数が出やすい環境を万人に提供できるような仕組みを開発したいと考えています。 
                                         
                                         
                                        −目標とする経営者像や企業像について 
                                         
                                        グーグル社はやはりお手本になります。プログラミングという仕事をしやすい環境ですので当社も目指しているところではあります。
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                                       ■その他 
                                         
                                        −IPA(未踏ソフト)について一言お願いします。 
                                         
                                        最近は、ユーザインタフェースの改良といったアプリケーション側のテーマが多く、みんながやらないこと、例えば物理レイヤに近い層でのテーマに挑戦するという、本来の「未踏」の精神が損なわれている気がします。もっとチャレンジ精神があると良いと思います。 
                                         
                                         
                                        −大学におけるソフトウエア教育について一言お願いします。 
                                         
                                        最近、大学が専門職を育成するカリキュラムをつくり実践しているが、専門学校のような教育を大学で行うのではなく、もっと創造力を育てることが大学教育の使命であるように思います。 
                                        
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                                             【取材日:2007年7月23日(月曜日)】 
                                              つくば駅にほど近いビルにあるソフトイーサ社にて 
                                               
                                              鈴木敏行 アキバテクノクラブ事務局長(左:敬称略)と 
                                              登 大遊 ソフトイーサ(株) 代表取締役会長(左から二人目:敬称略) 
                                              ぷらっとホーム株式会社から担当の方にもご同行いただきました。 
                                               
                                               
                                             
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