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2023年度第5回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました      


講演の様子

2024/3/19
2023年度第5回アキバテクノクラブオープンセミナー(第126回アバンフォーラム共催)
 
講師:小黒 一正氏/
/法政大学教授、アバンアソシエイツ顧問

「インフレ下での日本経済・財政の現状と展望」

■ 今年の日本経済を取り巻く明るい話題と暗い話題
 講師の小黒教授は直近10数年間にわたり定点観測という形で、経済学者という立場から我が国の財政やマクロ経済の状況や課題を講演されてきましたが、本年度はまず「能登半島地震が我が国経済に及ぼす影響について、石川・富山・新潟3県の住宅や道路、湾岸施設などのストックの損壊に加えて、住民の生活だけでなく生産や物流や観光などを通じて幅広く経済に影響を及ぼし、毀損額としては約1.1〜2.6兆円規模と推計されると話されました。
一方明るい話題としては、生鮮食品を中心に消費者物価が上昇傾向にあり、その影響でサービス関連の物価も上昇傾向にシフトし、さらにその影響が伝搬して大企業の若年層の賃金が先導する形で幅広い層の賃金が上昇していること、そして日経平均の株価が上昇して4万円超となったこと、の2点を挙げられました。
■ 財政を巡って本年度は?
 我が国の財政の状況は、債務残高の対GDP比でみると依然増加傾向にあるものの、税収増と歳出増の圧力も一時的に低下する中で、全体的にはやや改善されているのではないかと説明され、特に不確実な要因として社会保障費における「異次元の少子化対策」と防衛費増額を、国債発行をせずに賄えるかが財政の収支に大きな影響を与えるのではないか、との見解を示されました。
特に歳出の中で約24%を占める国債費、その中でも利払い費については、長期金利の変動によっては厳しい状況がうまれるのではとの懸念も示されました。
■ 社会保障費を改革のトリガーとするには?
 診療報酬と薬価については年金のようなマクロ経済スライドの仕組みが存在しないが、現政府の重要施策である「こども未来戦略」の中で少子化対策を実現するには、現役世代の可処分所得の減少に直結するのではとの懸念も示されるなか、昨年12月の閣議決定とも関係するが、社会保険料率を含む国民負担率の上昇抑制に関する議論が改革のトリガーになるのでは、と強調されました。

(写真をクリックいただくとオンライン講演の様子がご覧いただけます)

講演の様子

■ インターネットでの有識者の議論では・・・
 今回も講演の後は恒例の懇親会ではなく、インターネットを通じて有識者を交えた議論となりましたが、経済学者として、行政マンとして、実務家として、といったそれぞれの立場からの意見が出され参加者の理解が深まる議論が展開されましたが、当日は日銀の金融政策決定会合において大規模緩和の解除の決定がされたこともあり、マイナス金利政策等の解除の影響がどうなるのかのホットな議論も交わされ、インターネット経由ではありましたが、日本経済と財政への理解がさらに一層深まるセミナーとなりました。そして来年度こそリアルな場での講演と議論が行われることを期待させる講演となりました。  

(写真をクリックいただくとオンラインでの議論の様子がご覧いただけます)

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