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  第43回アキバテクノクラブ交流会を開催しました
  (共催:秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会)


ご講演

■ カミナリとのつきあい方?!

 時節柄今回のテーマは、「雷」です。ネットワーク社会の雷害リスクも急増している中、NTTファシリティーズの池辺副社長に電気の親分として、雷の発生原因から雷害対策まで幅広くご講演頂きました。
 そもそも雷という字は、田んぼに雨…ではなく、中国では田という字は車(車輪)を表現していて、田を3つ書いて「ゴロゴロゴロ」という音を意味していたそうです。簡略化されて1つになりましたが、雷という字はその音が語源だったのですね。
 また、新潟や群馬など多雷地域においしい食物が多いのは、雷が落ちると帯電流が流れ、空気中の窒素がイオン化され、三大栄養素の1つであるN+が発生して作物に降り注ぐからだそうです。まさに雷さま!ですね。
 車や、飛行機など金属で囲まれた空間は安全ですが、落雷の瞬間、内部の空気がピンク色になるそうです。そして、海ではやはりなるべく海面から上に出ない方がいいそうです。これからの季節気をつけましょう。
 そして、ネットワーク社会でも気をつけなくてはならないのが、誘導雷です。
雷は、下から上がる氷晶と上から落ちる霰(あられ)がぶつかり帯電が起こって、その電位差が大きくなると放電=雷が生じるというしくみになっているそうです。落雷すると、周囲に磁界が生じ、その磁界によって情報通信機器に被害が及ぶこととなり、それが誘導雷とのことですが、この影響範囲は、半径2kmにわたるそうです。雷鳴から6秒以内は要注意です。
 でも、落ちてからでは遅いので、耐雷トランスや絶縁ブッシング等を用いての絶縁、連接接地による等電位化、避雷器を用いたバイパスなどの対策が必要とのことです。一般家庭の被害率も10年前の3倍になり、2%/世帯/年だそうです。まさに社会的問題であり、雷害対策の国家プロジェクト化に向けて、池辺氏が幹事長で妹尾先生が座長を務められる「雷害リスク低減コンソーシアム」   (http://www.ikazuchi.gr.jp/)の活動に期待したいと思います。

(写真をクリックしていただくと会場の様子がご覧いただけます)

ご講演

■ 免震から免雷の時代へ

 続きまして、日本一の防雷メーカーである音羽電機工業の吉田社長に、雷写真を用いながら実際の落雷の状況やユビキタス社会における雷の影響など、免雷の時代についてご講演いただきました。
 飛行機の着陸と離陸時に落雷することが多いこと(JALでも100?200回/年)や、桜島の噴火など強力なエネルギーが発生すると雷が起こることなど、迫力のある雷写真にてご説明いただきながら、雷は落ちるだけでなく下から上に上がる雷など興味深い現象も教えていただきました。
 また雷が木や避雷針や海に落ちた際に、電線やガス管や地表の水などを伝って、6km?8km走って、建物内に入り込む誘導雷による被害例も多く、例えば、コンセントを抜いてもTVが壊れるのは、TVアンテナから伝わることによるものだそうです。避雷針は建物の保護であって、建物内の通信機器の保護には避雷器が必要というのも納得です。
 音羽電機工業には、様々な文献を集めた雷ミュージアムがあり、また2008年9月オープンの雷テクノロジーセンターには現在までで1800名の見学者が来訪されたとのことです。2013年には雷対策を施したMRJ(三菱重工の国産旅客機)のテスト飛行を予定しているなど、免雷時代における音羽電機工業のご活躍が注目されることでしょう。

(写真をクリックしていただくと雷写真コンテストのパネル写真や会場の様子がご覧いただけます)

鼎談

■ 鼎談も知識盛りだくさんでした

 鼎談が始まる前に、雷写真コンテストの素晴らしい瞬間写真についてパネルの前に集合して、吉田氏と池辺氏にご解説いただきました。あまりの迫力と神秘的な美しさに雷への畏怖も忘れ、親近感を持って見入ってしまいました。
 その余韻を残して、さらなる議論が展開された鼎談へ。
 やはり注意すべきは、雷害ということで、そのリスクマネージメントについて、池辺氏から外部雷対策に対して、内部雷対策(誘導雷等雷害)も必要だが、避雷針を立てる建物の国土交通省や、電気関連の経産省や、通信関連の総務省などリンクする各管轄省庁の枠や各技術分野の枠を越えた対応が重要とのお話でした。妹尾先生もユビキタス社会においてJIS規格もない状態を憂慮され、吉田氏も落雷を経験しないとなかなか対策が普及しないとの現状を話されました。ドイツでは、雷害について、保険を支払う時に善後策の有無を確認するのだそうですが、日本にはその仕組みがないとの池辺氏のお話には驚きましたが、やはり危機意識が必要なのですね。音羽電機工業では、雷レーダーを販売されて、実際に一部の学校や公園など人の集まるところに設置されているそうです。予測することも免雷の一種ですね。
 最後に、ユビキタス時代の誤作動の危険性や、産官学連携によるリスクマネジメントの必要性などをお話いただき、妹尾先生がおっしゃる地震、雷、火事、おやじ(親父ではなく広島の方言で台風のこと)といった自然現象との共生の時代をうまく乗り越える術が理解でき、大変有意義な鼎談となりました。

(写真をクリックしていただくと鼎談の様子がご覧いただけます)

懇親会
■ 雷鳴は聴こえなくても、盛り上がりました

 雷の話題はつきることなく、いざ懇親会へ。今回は、暑気払いということもあり、初めてお鮨が登場するなど、ちょっとした豪華バージョンでした!
 久しぶりに参加された東京大学竹内先生の乾杯に始まり、PRタイムでは、サイコム・ブレインズの役員紹介や首都大学東京のセミナー紹介、ご登壇いただきましたNTTファシリティーズと音羽電機工業のみなさまのご紹介、TBSラジオのプロデューサーの方のゲスト参加など、多彩な顔ぶれとなりました。
 次回の交流会は9/14(月)となります。みなさま良い夏休みをお過ごし下さい!

(写真をクリックしていただくとPRタイムの様子がご覧いただけます)
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