■ 情報理工実践工房アキバ?!
今回の交流会は13階に入居されている東京大学情報理工学系研究科、創造情報学専攻教授の竹内郁雄先生にお願いしました。竹内先生は本年3月末に東京大学を退官されるとのことで、今回はご退官記念として、「秋葉原から創造の発信を 未踏と先導的ITスペシャリスト」と題した講演となりました。先生は秋葉原ダイビル13階の情報理工学系研究科の秋葉原拠点を研究中核拠点「情報理工実践工房」として位置付けられ、先生の理想とする「実践的創造力のあるIT人材」になり得る技術者の輩出に尽力されてきました。今回の講演は先生ご自身が思い描くIT人材輩出のために、産官学の関係者を説得してゼロから「未踏ソフトウエア創造事業」と「情報理工実践プログラム」という我が国のIT産業に欠かせない2大事業の立ち上げから、黎明期、思い出に残るIT人材、苦労話、今後の目標や支援施策など、まさに第一線で牽引されてきた先生ならではのお話となりました。
「未踏ソフトウエア創造事業」は、経済産業省が2000年から推進している事業として有名ですが、この実現に向けては我が国のソフトウエア産業界と先生を含む大学の当該分野の専門家の方々、さらに電総研(現在は産総研)や情報処理推進機構(IPA)等の関係者が共有していた危機感とそこに裏打ちされた熱意の賜物であったとのこと。そして未踏ソフトのPM制や著作権が個人にあることなどの特徴が、国のお金の使い方としては画期的なものであったといった話をされました。未踏ソフトで出会った何人かの思い出に残る人材ということでは、登大遊さんの事も非常に印象に残っているとのことで、当時筑波大学の学部一年生だった登さんは「18才とは思えない大人とユーモアの精神」の持ち主だったとのことで、今はアキバテクノクラブの産学連携成果の代表事例として活躍されているのは周知の事実となっています。まだご存知ないかたは、次のURLをご参照ください。
http://www.akiba-sangaku.jp/co-operation/archives/20070723.html
「情報理工実践プログラム」の実現もご苦労されたようですが、秋葉原ダイビルに拠点があったことが非常に効果的であったと強調されました。この事業も大いに成果があったということで、一昨年に取材させていただきましたので、次のURLをご参照ください。
http://www.akiba-sangaku.jp/co-operation/archives/20081107.html
またこのプログラムから誕生した、ポップアップ翻訳機能ソフトやGEOグリッドのアプリ、大画面共有システム「天窓」などのソフトウエアが紹介されました。
(写真をクリックしていただくとご講演の様子がご覧いただけます)
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