2017/5/31
2017年度第1回アキバテクノクラブオープンセミナー
【講師】
布施田 英生 氏 / 内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付参事官
テーマ:「AI関連施策の現状と展望
〜AI、ビックデータとオープンイノベーションが切り拓く未来〜
」
■ 人工知能は人間を超えられるか?
平成29年度第1回目のオープンセミナーは、アバンアソシエイツによるアバンフォーラムとの共催形式で開催されました。 講師として、内閣府で科学技術・イノベーションにおけるあるべき次世代インフラ戦略施策の舵取りに邁進されていらっしゃる布施田英生氏にお越しいただき、成熟した日本社会を力強く再生、推進してゆくAI関連施策の現状と課題、展望について、わかり易く論じていただきました。
はじめに、導入部として、人工知能の助言により難病を克服できた患者の例や、将来人工知能に取って替わられそうな職業例等、AIの可能性や不安要素について紹介をいただきました。
雪上でスリップしながらも転倒せずに歩行する人型ロボットの動画に接し、近未来SF映画の世界が現実のものになってきていることを実感させられます。
次に、1956年のダートマス会議で初めて世に提示された「人工知能」という概念に対する、研究者による様々な定義例に加え、幅広いAI分野の分類項目についても説明をいただきました。その中でも近年注目を集めている項目として、明示的プログラムなしで学習する能力をコンピュータに与える「機械学習」、画像や動画からの文字や顔等の検出や、画像や動画の分類を行う「画像認識」、人間の音声を受け取り文字列を出力する「音声認識」、自然言語をコンピュータに処理させるための「自然言語処理」についての詳細なご説明をいただきました。
特に、「敵対的生成ネットワーク」という機械学習の技術は、線描き情報を使って明瞭な人の顔写真を生成するという優れモノです。
加えて、1950年代から始まる人工知能ブームが、現在第三次人工知能ブームへと受け継がれ、機械学習、ビッグデータ、高性能コンピュータの活用により、膨大なデータからコンピュータが知識を自ら取得する時代になっていることや、人工知能にとっては高度な推論より子供でも出来ることの方が困難という「モラベックのパラドックス」等、人工知能に係る重要概念についてもご説明いただきました。
(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)
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