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  2018年度第6回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


講演の様子

2018/11/22
2018年度第6
回アキバテクノクラブオープンセミナー
 
【講師】 小林創氏
     /ジェミニストラテジーグループ パートナー
      

【テーマ】「テクノロジー」が超高齢社会で果たすべき使命
     〜人間の健康の本質を捉えたアプローチを問う〜


■ ご講演の背景  

 本年度の第6回オープンセミナーは、アバンアソシエイツによるアバンフォーラムとアキバテクノクラブとの共催形式で開催されました。講師であるジェミニストラテジーグループのパートナーでいらっしゃる小林創氏は、17年超にわたる戦略/経営コンサルタントとしておよびGEヘルスケアでのマネージャーとしての経験において、医薬品・医療機器・電力・石油・化学・ハイテク・食品・アパレル・化粧品等業界の日本企業及び外資系企業に対し、中長期事業戦略策定、組織能力向上、ビジネス・デュー・デリジェンス、事業統合戦略策定、事業再生戦略策定・実行支援等、数多くのプロジェクトを手がけてきた企業経営・戦略のエキスパートです。

 今回は、『「テクノロジー」が超高齢社会で果たすべき使命』と題してご講演いただきましたが、講演内容の主眼は同氏が現在も理事を務める鹿島平和研究所の2017年度研究会テーマであり、研究成果としての発表は今回で4回目になるそうです。研究会の目的は、具体的な事業構想とそのインパクト極大化を促す政策を行政主体ではなく民間企業として立案し、提言していくことであり、先月には衆議院議員会館にて議員・官僚の皆様に成果発表・提言を行っています。


■ 課題は、健康長寿実現と財政の健全性の両立  

 世界の健康の現状を見ると2000年から2015年にかけ平均寿命が5年延びる一方、医療支出は7兆ドル(約800兆円:日本GDPの約2倍)を超えるなど、健康・医療とも雁行的に進行しているように思われます。日本においては、先進国であるアメリカ、ドイツ、フランス、イギリスと比べてもその人口減少率は抜きんでて大きくなっており、健康長寿の実現と財政の健全性の両立は大きな課題です。


(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

講演・交流会の様子

■ 未充足医療ニーズ  

 深刻な医療ニーズの例として、@アルツハイマー型認知症、Aミトコンドリア病、B筋委縮性側索硬化症(ALS)を始めとした、未だに治療法も進行を遅らせる方法も見つかっていない、いわば治療しても治らない病気があります。 アルツハイマー型認知症に対しては、「大きな市場」であることもあり、製薬会社により、勢力的に新薬開発が勢力的に進められているものの、未だに成功例はない状況にあり、実はこの新薬開発に伴うコストが医療費増大のメインドライバー(1980年から2009年までの主要国医療費総額増の要因別寄与を見ると、その約7割が新薬開発のための技術コスト)となっていることがわかっています。



■ 健康とは?

   そもそも健康とは、何か? 世界保健機関(WHO)憲章における定義では、「身体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定められており、「病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にある」ことだと定義づけられています。 患者と家族のQOL向上が大切です。


■ テクノロジーが超高齢化社会で果たすべき使命

 人類は未だ自らの健康について完全には理解できていませんし、完全に理解する目処も立っていません。これを逆手にとった「ビジネス」はしかし理解の進展とともに衰退します。テクノロジー、特にAI/IoTの最大の意義は、「健康は誰のものか」を問い直し、個人の健康リテラシーを向上させ、多様な選択肢を得ることを通じ、医療・介護需要をコントロールするとともに、既存サービスを徹底的に効率化することにあるのです。
 先端的なテクノロジーが、健康リテラシー向上と行動変容を促すとともに、選択肢を拡大するのと並行して、パラダイムシフトを先導する萌芽的な取組をイノベーションに育てる取組を進めることが大切なのです。

 ご講演後の質疑応答では、病院における医療の今後のあり方や、東洋医学の位置づけ、延命治療の是非等、刺激的なご講演を受けた会場とのバラエティに富んだ意見交換等が成され、その後の活気溢れる交流会へとつながっていきました。



  (写真をクリックいただくとご講演及び交流会の様子がご覧いただけます)

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