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  2021年度第6回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました                


講演の様子

2022/3/25
2021年度第6
回アキバテクノクラブオープンセミナー
 
講師:小黒 一正氏/法政大学教授、
                             アバンアソシエイツ顧問
テーマ:「日本経済と財政に関する展望と課題」


■ 世界経済と日本経済はこれからどうなる・・・  
 講師の小黒教授は例年定点観測という形で、マクロ経済学者という立場から我が国の経済や財政の状況を講演されてきたが、本年度は世界経済が新型コロナの拡大、ロシアのウクライナ侵攻、FRBの金融引き締めといった予測不能な事態が日本経済にどのような影響を与えるのかを、過去のオイルショックや第1次・第2次世界大戦当時のGDPなどの経済財政の指数の経年変化を参考に今後のこれら指数の予測について、具体的な数字を挙げて説明された。
  その数字がどのような影響をもたらすかの評価はともかくも、マクロ的にはGDPという観点からは影響が少ないとも考えられるが、今後のウクライナ侵攻の長期化や円安問題がそこそこの影響を与えることも予想され、今後の日本経済の抱える不確実な要素は確実に増えていると説明された。

■ 財政を巡っては何が問題か  
  財政ということでは、2025年度を目途にプライマリーバランス黒字化を目指す方針が掲げられている。 令和4年度の一般会計予算においては、歳入の34%を公債等でバランスをとる図式はかわらないものの、コロナ対策などの予算は減少する可能性があり、法人税は約6兆円の増収が見込めると予想されている。 また2020年度から消費税収が所得税収を上回るという税収の構造変化がみられ、税収が景気の影響を受けにくい状況に変化していると説明された。
  歳出面では比重の大きい社会保障給付費は、年金のマクロ経済スライドと似た仕組みを医療でも導入することで、医療費(対GDP)の伸びを安定化できるのではないかと説明された。
  一方国債等の保有において海外投資家の比率が13%と増加傾向にあるため、今後の金利の上昇を考えると、巨額な金利コストが顕在化するといったリスクも考えられると説明された。

■ 懇親会ではなく有識者も交えた議論では  
  今回も講演の後は恒例の懇親会ではなくこの研究会に参加していた有識者も交えた議論となったが、経済学者として、行政マンとして、実務家として、といったそれぞれの立場からの意見が出され、裏話も含めて参加者の理解が深まる議論が展開された。

(写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます)

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