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研究会

2008/8/5  独立行政法人 産業技術総合研究所
〔会場:産業技術総合研究所 秋葉原ダイビル11F大会議室〕

産総研ベンチャー開発センターアジア産学官プロジェクト』
第一回研究会
 コメンテーター:東京大学大学院工学系研究科
                    元橋一之教授
 司会:産総研ベンチャー開発センター 木村チーム長


■ 「 中国における研究者能力について」
〔(株)三菱総合研究所 科学・安全政策本部 
             本多克也主任研究員〕

 欧米に追いつけ?!がんばれアジア

 まさにオリンピッックで注目の中国ですが、今回の研究会は現状の中国科学技術力について分野別に評価した結果を発表されました。
ライフサイエンス、ナノテク・材料、情報通信関連、環境・資源エネルギー、産業機械の5つの研究分野について日本と比較して先行度合の評価をインタビュー形式にてまとめています。

 現状では、産業機械以外の分野では思った以上に日本との差は少ないとの見解ですが、5年後はさらに接近すると予想されます。その要因としては、予算も設備も日本とほぼ同等になりつつあることもあり、アメリカ等からの帰国研究者のポテンシャルやインフラ整備、経済的発展などを背景としている点があげられるとのことです。
 有識者のコメントの中でも、「日本は最先端の技術は持っているが、使う先がないのに対し、中国では技術を開発したときにいち早く使えるフィールドがある」(ライフサイエンス分野)や、「中国は実用化に対して熱心。大学院教育がプロジェクトベースで行われているため、産業と直結した学生を育成することが出来る。」(情報通信関連分野)などの意見もあり、特定機関や分野に集中投資して、海外企業との共同研究なども積極的に行われている様です。

今回のオリンピッックでもその科学技術が活かされる場面が見られるのでしょうか?競技とはまたちがった見方で楽しめそうですね。

研究会

■「中国・台湾・香港における研究機関の産学官連携について」
〔明星大学経済学部経営学科 新藤晴臣准教授〕

 中国でも産学官連携がブーム?!

 中国の産学連携ついては、1980年代以降、文化大革命により無数の起業機会が存在し、当時は産学連携に関する規定は少なく、研究機関の研究者は、様々な研究分野で創業を行い、創業ラッシュを生んだとのことです。
  当初は研究機関と地方自治体との共同出資による創業が多く、その一部が資源獲得、コンセプト形成を行い、研究機関発ではなく、一般のベンチャーとして成功していったという歴史的背景があるそうです。
 1994年には会社法が設立し、中国科学院を中心にベンチャー創出が加速し、1997年に会社数がピークとなったとのこと。

 この頃から基礎研究力の向上などにより研究機関が求心力を持つ一方、知的財産、利益相反など制度確立により産学の境界が明確化し、2002年に設立されたCAS Holdingsなどの支援機関により、研究機関発ベンチャーの設立と既存ベンチャーの選別が行われたそうです。

 また台湾でも1990年代に入ると科学技術基本法(TLOの整備)による知的財産重視の流れを受け、既存の産業化をより精緻化しOpen LabやIncubatorが設立されたとのことです。
  ただ、中小企業との連携やベンチャー創出は活発だが、大企業との産学連携があまり活発でないなど課題は多い様です。

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