2009/1/20 首都大学東京
秋葉原サテライトキャンパスセミナー
〔会場:秋葉原ダイビル12F
首都大学東京 秋葉原サテライトキャンパス〕
今回のセミナーは「観光資源としての情報と人」をテーマに、街を観光地として魅力あるものにする、人の流れや、情報の発信について2人の先生がお話をされました。
■ 「人の流れが情報を生む」
都市環境科学研究科 助教 鈴木晃志郎氏
ジャズといえば、「黒人音楽」といったイメージをもちますが、実はその普及にヨーロッパからのユダヤ移民が関わったことをご存知でしたか?
そもそもジャズを芸術として最初に評価したのが、ヨーロッパでした。アメリカからの旅芸人の、黒人ならではのリズムに注目したのはドビュッシーでした。有名な「子供の領分」の中でケークウォークとしてそのリズムを取り入れています。このようにしてヨーロッパで評価されたジャズでしたが、ヒットラーにより退廃的とされ、多くのユダヤ人芸術家がアメリカに亡命することになります。
こうして亡命してきた芸術家たち(シェーンベルクやダリウス=ミヨーら)の薫陶をうけた人々が、ジャズに新しい風を吹きこんでいきました。
また、英国系白人(WASP)と比べ、新参の移民であるユダヤ人は、WASPが厭う金融や芸能の分野に活動の場を見出したという背景もありました。
ユダヤ移民がジャズの興隆に果たした役割を人の流れという視点でみると、クリエイティブな人が移動して、集団を形作り、さらにそこでクリエイティブを生んでいく、という流れが見えてきます。こういった流れを呼びこむ為には、その街・または企業にクリエイティブ・クラス(新しい発想・技術・作品のいずれか、またはすべてをつくることができ、その活動を続けられる力のある人)が集まりやすい、柔軟な環境を作り出すことが必要なようです。
(写真をクリックいただくと会場の様子がご覧いただけます)
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