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講師の方々

2009/7/29 首都大学東京
        秋葉原サテライトキャンパスセミナー

会場:秋葉原ダイビル12階 会議室

 
■ システムデザイン学部 経営システムデザインコース 
  瀬尾明彦教授
  「人間工学的評価手法とその福祉応用」
  

 首都大学サテライトキャンパス、本年度第二回の今回は、首都大学東京の健康福祉学部とシステムデザイン学部それぞれの視点から「福祉用具の開発」にかかかわる研究や展望をお話いただきました。

 人間工学は人と環境の最適なマッチングを目的としています。そして最適なマッチングのためには、人の身体的負担と作業の特性の双方を分析する必要があります。
 瀬尾研究室では、主観的な「使いやすさ」を計測可能な物理的な数値に置き換え評価する手法の研究開発をされています。
 この手法を使うと作業の複数のパラメータの中のどれかひとつまたは複数の数値を変化させることによって、作業する人の負担を変化させ、その結果もまた数値で得ることで明確に評価できるという方法論を確立することができました。
 この方法論で介護現場を見たとき、たとえば、ベッドサイドでの介護では、ベッドの高さによってどれだけ介護する人の腰への負担が違ってくるのかが、数値として明確にわかります。数値化によって作業環境の中のどのパラメータをどのくらい変えると作業環境の改善ができるのかが明確になり、作業環境の改善や、補助製品の開発にも役立つとのことでした。
 これから増えていくであろう介護の現場で、介護される側・介護する側双方にとって「快適な」環境のための商品の開発や、指針の整備が益々進んでいって欲しいと思います。

■ 健康福祉学部 理学療法学科 新田收教授
   「健康福祉関連商品開発と大学の役割」

 ここ数年の介護福祉用具の開発に大きな影響を与えたのが、介護保険制度の導入でした。
介護保険は高齢者ができるだけ在宅で、健康に生活し続けることを理念としています。この制度の利用者向けに、家庭で使えるような簡便であまり高価でない製品が求められるようになり、ここに名乗りを上げたのが、自らの技術を活かして商品を提供したいと考える中小企業でした。
 また、全国の国・公立大学も独立行政法人となり、大学のもつ知的財産を積極的に利用しようと産学連携が積極的にすすめられるようになりました。
 『福祉用具の開発』は技術を活かした製品開発をしたい中小企業と、現場での知見を製品開発に活かしたい大学側とがうまくかみあった分野といえます。
 首都大学健康福祉学部では、次の2つの方法で現在産学連携を進めているそうです。大学の技術や施設を活かして保健医療分野における新製品の臨床試験を行う方法、そして臨床的現場での新たな知見を企業に提供して製品開発を行う方法です。今まで大学側では臨床現場に必要と思われる用具のアイデアがあっても、それを製品化する技術がありませんでした。そこで産学連携によってこの問題を解決しようというわけです。
 最近の産学連携の成果として、小型の不安定板上での座位バランスエクササイズが体幹深部筋に及ぼす効果を検証し、製品化した例が取り上げられました(この商品は通販生活でも取り上げられ、好評なのだそうです)。そして現在力を入れているのは、障害者の自立支援のためのインテリジェント手すりの開発です。これは、立ち上がろうとする人自身の潜在能力を引き出すことに主眼をおいたもので、理学療法的な視点で開発しているとのことでした。
今後もこのような大学の知見を活かした製品開発に期待が膨らみます。




 
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