アキバテクノクラブ
メンバー活動紹介
  >>2010/7
コンセプト
アクティビティ
メンバー活動紹介
ATCメンバーリスト
ポッドキャスティング
イベントスケジュール
+お問い合わせ
+サイトポリシー
+個人情報保護について
ホームへ戻る
ベンチャー開発センター

2010/7/26 産業技術総合研究所 
『第1回AISTスタートアップスクラブ』

〔会場:秋葉原ダイビル11F 産業技術総合研究所大会議室〕



 平成22年度第1回の産業総合研究所ベンチャー開発センター スタートアップスクラブが開催されました。
今回のスタートアップスクラブは、システムインテグレーション株式会社の多喜代表取締役の特別講演と公開コンサルティング、弁護士の高橋雄一郎氏からは、研究開発型ベンチャーに必要な法律知識のレクチャーが行われるなど、ベンチャー企業にとって有益な会となりました。


■ 「『開発の達人が語る開発型ベンチャーのビジネスモデル』」
   システムインテグレーション株式会社
               代表取締役社長 多喜義彦氏
  


 多喜氏は19歳で『緊急非常弁』を開発、特許を取得しその後も様々な開発に携わってきたという経歴の持ち主です。19歳の時に取得した「緊急非常弁」の事業で学んだことは、「開発はひとりで行うものではない」ということと、「人とのつながりが次の仕事につながる」ということだったそうです。  

 リーマンショック以降「ものが売れない」状況が続いていますが、多喜氏によればリーマン時代の経済の4割は虚構。実体経済は6割でしかなかったのだということです。
 こんな時代にあっても、品質の良いものは売れています。そのキーワードは「安全」「環境」「コンプライアンス」です。
 その実例として、多喜氏が関わった「コープ札幌」での取組みが紹介されました。

 多喜氏は「コープ札幌」の建て直しのために「トレーサビリティ」に徹底的に取組むことを提案されたそうです。誰もが、「トレーサビリティの徹底」で売り上げが上がるのか半信半疑の中、トレーサビリティのシステム構築が始まりました。おりしも、ミートホープ社の事件があり、トレーサビリティのシステムが出来ていたコープ札幌では、ミートホープ社の肉が使われたすべての商品の廃棄と買い上げられた商品への返金を直ちに行うことが出来ました。なぜこのようなことがすぐできたのかとマスコミなどでも話題になり、コープ札幌の「徹底したトレーサビリティのシステム」への取り組みが紹介されました。また、トレーサビリティを徹底的に行うためにも、食品会社にはその食品のすべての素材情報の開示を求めており、そのことでアレルギーに悩むお客様はもちろん一般の方からも信頼を得ることができ、売り上げアップにつながりました。
 このトレーサビリティのシステムには、多くの知財特許が盛り込まれており、他の抜け駆けを許さない仕組みになっています。

 この実例が示すのは、今顧客から求められているのは価格競争ではなく、「安心」「環境」「コンプライアンス」であるということ。そして、ビジネスモデルを考えることが、大事だということです。
 『札幌コープ』の例では、それは「情報開示」であり、これをビジネスモデルとして実現した結果がトレーサビリティのシステム構築だったといえます。

 またJR東日本の事例では、民営化されたJR各社の中で唯一『お客様の生活を支援する』というコンセプトを明快に打ち出しました。そこから出てきたビジネスモデルが「エキナカ」であり、「Suica」でした。
 何の為にやるのか、お客様に何を提供するのかを徹底して考えることが、今後生き残っていくうえで大切なことだとのことでした。

このような成功事例において多喜氏が注目しているのが、「フィールドアライアンス」です。 これは事業領域を共有して新しい事業を創造して行くビジネスモデルです。例えば天満屋とUSJのように、自らの事業領域を、新しい事業パートナーに開放・共有し、新しい技術やノウハウ、商品・サービスなどを相互乗り入れすることで、顧客により多くの事業を仕掛けるというもので今後されにその重要性が注目されるであろうと説明されました。

(写真をクリックいただくとベンチャー開発センター資料がご覧いただけます)

公開コンサルティング

■ 「公開コンサルティング」
  

 この後、公開コンサルが始まり、公開コンサルには「NSマテリアルズ株式会社」と「株式会社D3基盤技術」の2社が臨みました。
「NSマテリアルズ」はマイクロ空間科学技術をコアシーズとして、合成材料事業、機器事業を展開しています。公開コンサルの中で多喜氏が注目したのは、LED用ナノ蛍光体の開発です。ナノ蛍光体は是非異業種と手を組んでやるべきとのアドバイスをされました。
 異業種の中でも例えば農業と組むなら、「農業を光で支援する」というビジネスモデルでやってみてはどうかと提案されました。
2社目の「D3基盤技術」はサービスロボットの安全性を保障する基盤技術を提供する会社です。「サービスロボット安全協会」のような任意団体を作ってパテントをプールし、知財を守るといった手法をアドバイスされました。

それぞれの会社が持つシーズをいかに活かすかのアイデアを次から次へと提示されていました。

(写真をクリックいただくと公開コンサルティングの様子がご覧いただけます)

ご講演

■「研究開発型ベンチャーに必要な法律の知識」
 高橋雄一郎法律事務所 弁護士・弁理士 高橋雄一郎氏 

 休憩をはさんで、高橋雄一郎弁護士から、「研究開発型ベンチャーに必要な法律知識」と題してのレクチャーが行われました。内容はどれも具体的で、契約を結ぶときに注意すべき項目など事例を挙げて説明がありました。知っているのと知っていないのでは結果に重大な影響を及ぼすこともある法律知識。聴講者のみなさんは真剣に話に聞き入っていました。


■ 「なぜ、研究開発型ベンチャーの顧客開拓がイプロスでできるのか?」
  株式会社イプロス 代表取締役 岡田 登志夫氏 

 最後に株式会社イプロスの岡田代表取締役から「なぜ、研究開発型ベンチャーの顧客開拓がイプロスでできるのか」と題して、製造業向けポータルサイト『イプロス』の特徴とこのサイトをいかに活用して顧客開拓につなげるかというお話がありました。もともとイプロスは製造現場向けの商品検索サイトでしたが、現在では、「新しい何かをさがす為のサイト」として、調達ではなく、開発部門をターゲットとしたサイトを展開しています。
研究開発型のベンチャー企業では必要な人に自社技術を知ってもらうことが大切です。その一助となるよう、出展情報・新商品情報が簡単操作でいつでも修正変更ができたり、様々なフィルターのかけ方を試すことで、マーケットデータを得るなどの工夫ができるサイトになっているとのことでした。

 今回のスタートアップスクラブは、ビジネスモデルの構築方法やフィールドアライアンスなどの手法、法律知識、顧客の開拓方法などベンチャーを成功させるためのヒントを得られる会となりました。

(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

■ 懇談会

 ベンチャー開発センターとして、初めての「公開コンサルティング」企画を盛り込んだ今回のスタートアップスクラブは、講師も発表者も参加者もそれぞれの立場で大変有意義な会議となり、その熱気が伝わる懇親会となりました。
公開コンサルティングでもそれぞれの会社の「売り」になるポイントについて、「すばらしい!」と絶賛されながら様々なアドバイスを送られた多喜氏を囲み、賑やかな輪が広がっていました。参加者同士の名刺交換も行われ、お互いに情報交換しつつ、あっという間に懇親会終了の時間となってしまいました。

 
→アーカイブリストへ戻る