2010/8/31 首都大学東京 他 「TOKYO産学公連携合同フォーラム -産学公連携コーディネータによるコーディネータ実務者のためのフォーラム-」 日時: 2010年8月31日(火)13:30〜18:00 会場:首都大学東京 秋葉原サテライトキャンパス (秋葉原ダイビル12F) 首都大学東京や産総研が参加する「東京産学公ネットワーク会議」主催の「東京産学公連携合同フォーラム2010」がダイビル12Fの首都大学東京秋葉原サテライトキャンパスにて行われました。 「産学公連携コーディネータによるコーディネータ実務者のためのフォーラム」をテーマに掲げ、「コーディネータに何を期待するのか」と題する産学連携学会の伊藤正実会長による基調講演、各大学・機関による産学連携活動の紹介・ポスターセッションが行われました。 ■ 基調講演 基調講演は「コーディネータに何を期待するのか」と題して、産学連携学会会長 伊藤正実氏による講演が行われました。 伊藤氏は地方での産学連携活動をする中で、コーディネータにはプロデューサーのような関わり方が望まれていると痛感したそうです。産学官連携では企業は自身の研究開発を促進し事業化することが、官にとっては、雇用の創出、税収の増大が、そして大学にとって官や企業との連携による外部資金の獲得と研究教育活動の活性化が目的となっています。連携といってもそれぞれの目的は違います。それぞれが、相手に自分の目的ばかりおしつけていては、コンフリクトや歪みが発生してしまいます。そこには調整が必要であり、コーディネータの存在価値があります。 調整役として、コーディネータは大学の研究活動の特性と文化を理解し、企業側の要望が大学の研究教育活動になじむかどうか、大学側のスタンスが企業側の許容範囲にあるかなど双方の折り合いをつけることが大事なのだそうです。またプロジェクトの目標と進捗の管理、そしてお金の管理も大事な仕事になります。技術相談を受けた際には、相手の依頼事項が明確化されているか。ビジネスモデルが妥当であるか。すなわち、研究の延長線上に事業があるのか。企業の経営状況。経営者のスタンスや人柄などに注意を払うそうです。大学の研究テーマと企業のニーズがマッチすることは少ないので、まずはコーディネータ自らが応対し、企業のニーズが何かを分析したうえで、ふさわしい研究者をさがすことが大事だということでした。 伊藤先生のお話からは、産学連携を成功に導くために、入念な下地づくりの部分でのコーディネータの役割の重要性が伺えました。 会場の産学連携に携わる方々も熱心にメモをとり、具体的かつ有益なお話にあっという間の1時間でした。 (写真をクリックいただくと発表の様子がご覧いただけます)
■ 大学・機関による産学連携活動紹介とポスターセッション その後、産総研、首都大学東京、中央大学、筑波大学、電気通信大学、東海大学、海洋大学、東京商工会議所、東京都中小企業振興公社、農工大学、東京理科大、都立産業技術研究センター、日本医科大学、日本大学(発表順)による、各大学・機関の産学連携活動についての5分間のプレゼンテーションが行われました。産学連携活動と一口に言っても大学・機関によって規模も歴史も様々でしたが、産学連携への熱意が感じられました。 また、講演会場脇のスペースでは、参加大学・機関によるポスターセッションが行われ、それぞれの活動の紹介や、おすすめのシーズの紹介、連携活動による成果などの展示が行われました。講演終了後もポスターの前で担当者に質問している参加者の姿が見受けられました。 (写真をクリックいただくとポスターセッションがご覧いただけます)
■ 懇親会 フォーラム後の懇親会では、組織や活動場所を異にする人たちが「産学連携活動」をキーワードに事務局の音頭とりで和気あいあい交流を深めていました。日頃はメンバーの打合せや、勉強の場として静かな産学交流ゾーンですが、この日ばかりは、大勢の参加者でごったがえし、熱気あふれる場となっていました。
(写真をクリックいただくと交流会の様子がご覧いただけます)