2011/2/8 つくば市東京事務所
『第4回つくば産産学連携推進市inアキバ』
会場:秋葉原コンベンションホール(秋葉原ダイビル2F)
■ 「環境技術を育むまち」つくば
2月8日(火)秋葉原ダイビル2階コンベンションホールにて、アキバテクノクラブメンバーであるつくば市主催による「第4回 つくば産産学連携促進市inアキバ」が開催されました。毎年テーマを掲げて開催されるこのイベント。今年は「環境技術を育むまちつくば」をテーマに掲げ、ステージプログラムとして2つの基調講演が行われました。また展示スペースにはつくば市に拠点を置く企業や大学、研究機関、またつくば市と関係の公共機関などが環境への取り組みなどを中心に展示を行いました。
■「藻類グリーンイノベーションによる
低炭素社会実現への挑戦」
筑波大学大学院 生命環境科学研究科 教授 渡邉 信 氏
基調講演1は筑波大学大学院 生命環境科学研究科 渡邉教授による講演でした。
渡邉教授は、化石燃料に代わる次世代の燃料として、藻類によるオイル生産を研究されています。
藻類は地球の歴史の中で人類にとって大きな3つの役割を果たしたといわれています。具体的には、@現在の大気を作ったこと、A鉄文明の資源となる鉄鉱床を作ったこと、B石油を作ったこと、ということで化石燃料の枯渇が叫ばれている現在、その藻類がまた注目されています。
特にバイオ燃料として知られているとうもろこしや綿花、大豆等に比べ、藻類はオイル産生能力が高く、中でも渡邉信教授のグループが新規オイル産生藻類のスクリーニングの中で発見した沖縄を産地とする「オーランチオキトリウム」の株は従来有望視されていた藻類「ボトリオコッカス」と比べて10倍の生産力を有し、炭化水素スクアレンを高濃度で生産することがわかったからです。
現在、オーランチオキトリウムによる大量培養のシステム構築に向けて実証実験が進められており、成功すれば、年間haあたり1万トン以上の炭化水素が取れることになり、2万haので生産すると日本が輸入する石油量(1.9億トン)を獲得できるそうです。
また、藻類は水中の有機物を吸収して増殖するため、水処理プロセスと組み合わせるという一石二鳥の構想もあるとのことです。さらに「オーランチオキトリウム」からとれる「スクアレン」は、これまで深海サメの肝油からとっていた成分で、健康食品や化粧品などの材料としても期待されているそうです。
実用化には10年ほどかかるとのことですが、ぜひ成功させていただきたいと思います。
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