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ご講演

2011/2/10 首都大学東京 
秋葉原サテライトキャンパスセミナー 

日時: 2011年2月10日(水) 17:50〜19:20
会場:秋葉原ダイビル12階 首都大学東京会議室

『先端的化学研究とその応用』

 
■ 「規則ナノポーラス構造の形成と
              機能性デバイス作製への応用」

  都市環境学部 分子応用化学コース 教授  益田 秀樹氏 
   

 現在、材料化学の分野ではナノホールアレー、すなわちナノスケールので細孔が規則的に並んだ構造物の作製が、さまざまなナノデバイスを作製するための出発構造材料として重要視されており、益田研究室では、電気化学反応を用いて生成する陽極酸化ポーラスアルミナを中心に研究をすすめています。

 陽極酸化ポーラスアルミナはアルミの陽極酸化によって生成される酸化被膜がハチの巣状の構造となる特質をいかして、人工的には作製がむずかしい規則的に細孔が配列された構造物をつくることができ、電圧や、掛ける時間など陽酸化時の条件で細孔の大きさや深さを制御することも可能であるため、さまざまな分野への応用が期待されます。
 細孔の大きさを制御することができるため、フィルターなど環境浄化材料としての応用が期待できます。また、磁石と磁石を分離すると磁価が安定するため、ハードディスク上に規則的に細密に磁性体を並べることによって1平方インチあたり1テラビットの記録密度を持つHDDの実現にも世界で初めて成功しました。 ナノバイオロジーの分野でも生体分子を規則的に並べることで生体反応を規則的に行うことができるなど、その応用分野は多岐にわたります。陽極酸化ポーラスアルミナが持つ可能性は、今後さらに広がりそうです。

(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

ご講演

■ 「次世代エネルギーとしての人工光合成」

  戦略研究センター 教授 井上晴夫氏


 持続可能な社会のため、また安全保障の視点からもエネルギー資源や炭素資源の問題は重要です。
 現在エネルギーとして使われている化石燃料にも限りがあり、これに代わる次世代のエネルギー資源として太陽光が注目されています。
 太陽光をエネルギーに変換する方法としては、太陽光を直接電力に変える太陽光発電と、太陽光を用いてCO?と水から水素エネルギーを生成したり有機物の合成をおこなう人工光合成があります。
 太陽光発電は非常に有望な太陽エネルギーの利用方法ではありますが、規模の拡大にはそれだけの面積とコストがかかり、気象条件にも左右されやすいため、蓄電池も不可欠です。この点、人工光合成では太陽エネルギーを水素や炭水化物にして貯蔵できるなどのメリットがあります。

 人工光合成を成り立たせる上での大きな課題が「水からいかにして電子をとることができるか」ということでしたが、井上教授たちによって水の2電子酸化の方法が発見され、水を原料とする人工光合成実現へおおきく前進しました。
 植物が行っている光合成を人間ができるようになるには、まだまだ時間がかかるとのことですが、持続可能な社会の実現に向け、さらなる研究を期待したいと思います。

(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

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