2011/2/15
産業技術総合研究所・筑波大学
つくばイノベーション&スタートアップス(TIS)研究プロジェクト
第四回研究会
「サービスサイエンスに関する現状と課題」
(日本学術振興会「科学研究費補助金」基盤研究「大学公的研究機関におけるベンチャー創出とイノベーション人材育成に関する研究」研究代表者:木村行雄 期間:2010年4月〜2013年3月)
日時: 2011年2月15日(火)
会場:秋葉原ダイビル5F 5A-2会議室
発表者:木村行雄氏(産総研企画本部産業技術調査室総括主幹、川崎市産業振興財団新産業政策研究所客員研究員、東京都市大学非常勤講師)
2011年2月15日(火)15時15分から、秋葉原ダイビル5階5A‐2会議室において、上記第四回研究会が開催されました。大学教員・製造業・シンクタンク・金融機関関係者等、15名が参加し、サービスサイエンスに関する各種議論が行われ、また、終了後アキバテクノクラブにおきまして、懇親会が実施し、交歓を行いました。
今回は、まず発表者の木村から、前回行った「アメリカの大学発ベンチャー最新事情(V)MIT、ハーバード大学事例を中心に」の状況をレビューすることで、アメリカの大学発ベンチャーの創出例を明らかにし、MIT、ハーバード大、ボストン大、ミシガン大、フロリダ大におけるベンチャー企業創出の現状と、積極的展開を見せる「具体的な企業事例」を明らかにしました。
次に、「サービスサイエンスに関する現状と課題」と題しての発表及び討議を行いました。主に『「サービス」「サービスサイエンス」の研究とその展開の系譜、各種の取り組みについて』、『製造業に関連するサービスの検討』、『「つくば」におけるサービスサイエンスの取り組み(筑波大学のサービスカイゼンの取り組みについて。つくば発アカデミックベンチャーの取り組み)』の3つを中心に検討を進めました。以下、主要な取り扱い事項。
- サービス(service)、サービス業、サービスサイエンスといった基本的な用語に関する説明し、サービス(サイエンス)を取り扱う学問の体系を明らかにしました。
- 日本におけるサービスサイエンス取り組みの方向性。「ハイ・サービス日本300選
受賞企業・団体」事例として、「加賀屋」「旭山動物園」等の説明を行いました。
- 製造業のサービス化に関する研究の系譜。特に諏訪良武氏による学説に関して。これらから「開発」「流通」「メンテナンス」等のキーワードを明らかにしました。
- 中小企業庁資料による製造業のサービス化(2005年)の資料の検討を行いました。
- 「つくば」におけるサービスサイエンスの取り組みとして、「筑波大学におけるサービスサイエンスの取り組み」特に昨年実施された「サービスカイゼン研修コース」の中身とその取り組みに関しての紹介が行われました。
- つくばにおけるサービスサイエンスを応用したベンチャー企業の事例として、筑波大発ベンチャー企業である「ウエルネス・リサーチ」の設立から現在に至る詳細を紹介。他の事例として「サイバーダイン」、「つくば医療食研究機構」、「ゼネラルロボティックス」、「旬材ソリューションズ(本社・大阪)」、「シナジーメディア(本社・東京)」事例が紹介されました。
議論も随時行われましたが、製造業のサービスに関しては「ソリューション」からの展開についての指摘があり(実際にそのビジネスを企業において担当されている方から)この分野の多様性や、実際のビジネスでの主要な取り組み方向性が示されました。
これまでの4回の研究会にご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。次年度は装いも新たに、つくば関連の新しいテーマをお伝えしていきたいと考えております。
(文責:木村氏)
なお、当日の発表資料につきましては、下記ご参照ください。
■PDF資料■
(写真をクリックいただくと研究会の様子がご覧いただけます)
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