2011/5/27 筑波大学
日時: 2011年5月27日(金)13:30〜18:30
会場:筑波大学東京キャンパス(
秋葉原ダイビル14F)
■ 『第7回筑波大学産学連携交流会 in 東京』
アキバテクノクラブメンバーである筑波大学主催の毎年行われる産学連携交流会が、今回は震災後の開催となり、地震・津波・放射線等に関する多分野の専門家による災害の総合講演会となりました。
地震防災工学専門の境教授からは、街の写真を提示しながら、東日本大震災の被害調査の概要(茨城、栃木、福島、宮城の住居約4000棟)およびその結果(震度7の全壊率は30%以上だが、震度6強では全壊率が8〜30%とさほど多くない)や地震による建物被害がさほど生じなかったのは、地震動が短周期であったためで建物の耐震性が高いからではないという結果をご説明いただきました。
またエネルギーシステム分析専門の内山教授からは、日本の電力需給、原発事故の影響、エネルギー供給の基本要件、今後の電力需給についてご説明いただきました。福島原発は冷温停止に1年、徐洗に10年以上、廃炉までは20年以上かと言われる中、火力発電への依存は高まり、再生可能エネルギーは資源の大量確保が難しく、今年の夏季ピーク負荷対策として蓄電池の積極導入が求められ、いずれ周波数変換所の容量拡大か一層のこと周波数を全国一律とするか思い切った設備投資が求められるとのことでした。
その他、システム情報工学研究科の村尾准教授からは、19世紀後半以降の三陸海岸地域とハワイ(ヒロ)における津波と都市復興の変遷比較から震災後の都市復興と津波被害軽減策について、さらに人間総合科学研究科の榮教授からは、放射線の性質や原子力発電所事故の経緯、水や土の安全性など生活者の視点からの放射線についてご説明いただきました。葉野菜は水洗いではさほど除染できず、こすり洗いで半分以下、ボイルすることで濃度は下がるが、栄養分も減少。庭の畑は表土を少し削って取り除き、残りを耕せば、検出限界以下となるはず!とのことでした。
そして、最後に、筑波大学時代にサッカー部に所属し、現在、総合型地域スポーツクラブの経営を行いながら社会システムマネジメント選考博士課程に在学中の株式会社つくばFCの石川代表取締役からは、平成22年度筑波大学産学連携会ベンチャー助成金事業としての研究成果および震災復興チャリティーサッカーイベントなど活動報告がなされました。
そして交流会後の懇談会は、5F産学交流ゾーンに場所を移して行われました。大学関係者や地元の企業、行政など多くの方々で賑わい、みなさんそれぞれの立場で震災復興への願いと活動が期待できる会となりました。
(写真は、懇談会の様子です。)
筑波大学のWebサイトもご参照ください。 http://www.tsukuba.ac.jp/topics/20110601175843.html
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