2011/7/2 東京電機大学
『情報メディアシンポジウム2011
〜未来空間と情報メディア学〜』
日時: 2011年7月2日(土)10:00〜19:00
会場:東京電機大学丹羽ホール
■ AR(拡張現実)のビジネス展開の可能性について
講師:山中勇輔氏(エアドライブ株式会社 取締役CEO)
講師の山中氏は、スマートフォンアプリ「セカイカメラ」のプロデューサの経験もあるということで、AR技術の現状と具体的な活用事例を紹介しながら、ビジネス的な展望を説明されました。
AR技術は、@位置情報連動型、A画像認識型、B矩形認識(マーカーレス)型、に大きく分類され、@の事例では、岐阜県庁を中心に観光振興策として、白川郷や関ヶ原などを対象地に選出し、景観を守るために看板を立てずに観光案内できるように約7000のエアタグを場所別に浮かべて、その場所でスマートフォンをかざすとエアタグを通じて観光情報が得られるという仕掛けを推進中とのことで、この動きは、佐賀市、唐津市、嬉野市、高山祭、そしてナイキやLOEWE表参道店、といった広がりを見せています。またBについては、バンダイの18mのマジンガーZが、静岡県内の公園に出現するといった具体例もあります。今後はソーシャルメディアとロケーションとAR技術が組み合わさったSoLARという分野から、新しいアプリケーションが誕生してくるものと期待されます。
■ 電子書籍、そして、未来の電子メディア
パネリスト:安田 浩氏(東京電機大学 未来科学部長)
植村 八潮氏(東京電機大学出版局 局長)
デジタル技術やネットワーク流通の進展に伴い、デジタルコンテンツ流通量が増大し、電子書籍端末が日々進化する中で、印刷複製技術と紙面伝達によって形成されてきた巨大な知識空間がどのように変容するかを探るべく、知的興奮に溢れた議論が展開されました。
出版業界に長く携わられた植村氏からは、印刷技術の歴史を紐解いていただくとともに、電子書籍ならではのコンテンツ体系のあり方や、その楽しみ方に更なる創意が必要と説かれました。これを受け、世界標準メディア形式創出のパイオニアである安田氏からは、アニメ等の映像文化を基盤に持つ日本は、WEB空間上のコンテンツを映像と関連付けて体系化するにあたり有利な位置にいることや、日本ならではの縦読みブラウザーが開発されてもよいのでは、といった、固有の文化に基づく電子メディアの楽しみ方についても考察をいただきました
(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)
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