産学連携レポート3回目の今回は、センサネットワーク等を研究されている東京電機大学
未来科学部 情報メディア学科 ネットワーク研究室 戸辺義人教授にお話を伺いました。
■東京電機大学が秋葉原で生み出した産学連携プロジェクトを教えてください。
日常さらに非常時でも携帯型端末を使い、まさにWeb2.0時代にふさわしい安心・安全な都市生活を送れるよう「実世界検索」オーバーレイセンサーのネットワークを確立して「究極の街の情報」を提供することを目的とした、OSOITEプロジェクト(Overlay Search Oriented for Information about Town Events:OSOITEはフィンランド語でアドレスの意)がスタートしました。これは科学技術振興機構の5年間のプロジェクトで、我々の大学だけではなく、東京大学・慶応大学・中央大学とベンチャー企業とでスタートしたところで、今後の進捗にあわせて大企業にも参加していただく予定です。
■OSOITEプロジェクトに期待するものは何ですか。
今回のプロジェクトは研究開発の対象として、異種センサーデータを統合するの開発、Web上の情報から実世界情報をとりだすマイニング技術、人の動きからイベント情報を抽出する技術、膨大な異種分散データベースの情報を圧縮する技術などが挙げられます。5年間の研究開発の中で、多くの研究論文、特許、次のステップのプロジェクトの創出などが期待できると思います。
またこれらのコア研究を中心に、周辺分野からも様々な研究開発成果が上がるものと期待されます。またこれらの成果の上に、ユーザニーズに基づいた新しいアプリケーションも生まれてきて、製品としてマーケットに出ているものもあるかも知れません。すでに心拍センサーとか携帯電話に組み込んだ万歩計などは製品化されているので、今後生活を豊かにするいろいろな製品も生まれてくることでしょう。
■産学連携という観点からみて、OSOITEはどのような展開が予想されますか。
現在は学学連携といった色彩が強いですが、今後成果がある程度まとまった段階で、大企業にも参加いただいて、様々な製品化・商品化を検討していきたいと考えています。また秋葉原は東京電機大学の学生諸君の育ての親のような存在なので、是非とも電気街などを巻き込んだ実証実験なども実施したいですね。とくに秋葉原には様々なセールスを通じてユーザニーズを熟知した専門家の方々が沢山おられるので、これらの方々のノウハウにマーケティングの専門家の知識を加えた面白いアプリケーションが生み出されるよいですね。
また韓国や中国などの海外の大学や企業との連携も模索していきたいと考えています。
|