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  第5回 明治大学:宮下芳明専任講師&
      デジタルハリウッド大学大学院:猪野祥仁氏


産学連携レポート第5回の今回は、2008年4月からの教育研究体制の連携強化を目的とし、2007年12月17日に交流事業に関する基本協定を締結された、明治大学理工学部研究科とデジタルハリウッド大学大学院の方にお話を伺いました。

■学学連携の経緯はどのようなものでしたか?


 2008年4月に明治大学理工学部の大学院に新領域創造専攻(安全系・数理ビジネス系、ディジタルコンテンツ系)が新設され、その中のディジタルコンテンツ系分野の特に演習科目の充実をはかるため、その分野での教育ノウハウを持つデジタルハリウッド大学と提携しました。具体的には、明治大学の理工学部長の向殿先生から、デジタルハリウッド大学の杉山学長に話があり、快諾したとの経緯があります。
 明治大学が連携先にデジタルハリウッド大学を選んだ理由としては、もちろんその分野でのノウハウを持っていることはいうまでもありませんが、秋葉原ダイビルでの出会いがあったことも大きな要因とのことです。秋葉原サテライトキャンパスの有効利用、新領域創造専攻の新設、同じビルにデジタルハリウッド大学というディジタルコンテンツ分野における教育で定評のある大学が入居している。この3つがうまく重なった結果だと思います。




■具体的な連携内容を教えて下さい。


 新領域創造専攻の科目のうち、3科目(3DCG演習、ウェブサイト構築演習、ウェブプログラミング演習)を、デジタルハリウッド大学大学院の先生に明治大学大学院の先生としても講義頂き、それぞれの大学院生が履修することができます。3科目のうち前期開講の2科目はデジタルハリウッド大学で、後期開講の1科目は明治大学秋葉原キャンパスで行われます。
  大学院の合同授業を実施して新たな発見がありました。
  明治大学の院生は、最終目標は院生個々に違うものの、ディジタルコンテンツの知識が不可欠な分野に進みたいと考え、文系理系の出身の別を問わずこの分野について更に極めたいと希望して進学してきます。一方、デジタルハリウッド大学大学院の院生は社会人が主であり、ディジタルコンテンツの知識を広く浅く習得し、自分自身が経営者やプロジェクト管理者としてディジタルコンテンツ技術者をマネジメントするうえでそれらの知識を活かしたいと考えています。明治大学の院生とデジタルハリウッド大学の院生とではまず学ぶ目的が違いました。年齢も大学卒が多い明治の院生と30代が中心のデジタルハリウッドの院生とでは学ぶことへの意識も違うことでしょう。今後の課題かもしれません。
  しかし一方で、結果的によい面も沢山あることが分かりました。CGの共同制作等の演習を通じて、明治大学の院生は別の視点を得らたり社会人への接し方を学び、デジタルハリウッドの院生は若い技術者をマネジメントする予行演習になったという効果が具体的に挙がっております。数年後、受けてよかったと思える授業になるであろうと期待しています。



■学学連携の今後


 このような合同授業をメインとした連携が今後増えていくことは間違いないと思われます。というのも、学問の領域が目覚しい速さで拡大・融合している昨今、新しい分野に切込もうとする際、大学ごとに得意分野に特色があるため、制約が生じることがあります。その時に、このようなお互いの長所を活かせる連携は、非常に流動的で速い学問の流れに即座に対応できるという点で学生にとっても、大学にとっても意義のあるものです。

 明治大学の宮下専任講師もデジタルハリウッド大学院の猪野氏も、柔軟な思考をもった方々でした。今、大学では、一昔前の大学を出た我々世代には思いもよらないような学問領域の分離融合がおこっているようです。大学側の研究者への柔軟なサポートが日本の将来を救う(?)、学学連携はその一歩なのかもしれません。



取材の様子

【取材日:2008年9月10日(水曜日)】

@秋葉原クロスフィールド産学交流ゾーン


【取材写真】

デジタルハリウッド大学大学院:猪野祥仁氏(左)

明治大学:宮下芳明専任講師(右)

※写真をクリックしていただくと取材の様子がご覧いただけます。

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