■スキージャンプペアはこうして普及した
デジタルクリエイターの真島理一郎氏をお迎えし、スキージャンプから東京オンリーピックまで、コンテンツ制作について、上映会形式?!でご説明いただきました。
2002年にスキージャンプペアという5分のショートフィルムをデジタルハリウッド大学の卒業制作として作ったことが始まりで、コンセプトは単なるCG映像を見せることではなく、スキージャンプペアという世界観を見せることであり、ペアースキージャンプ実行委員会会長としてオフィシャルページを立ち上げ、競技の普及に務め、卒業後1年で海外30カ国で上映されることとなりました。
当時まだユーチューブはなく、KDDIのブロードバンドサイトで上映していて、完成後1年でavexから声がかかり、8ヶ月後ぐらいにDVDリリースに至ったそうです。
映画でもCG作品でもなくパーティグッズとして¥2,800で売り出し、店頭で惜しげもなく見せるプロモーションを展開することで、結果20万枚以上売り上げることとなりました。
スキージャンプペアの続編は、2006年のトリノオリンピックの時期にスキージャンプペアを映画化したいという自身の学生時代からの願望をかなえる形でドキュメンタリーとして制作され、東京国際映画祭で特別賞も受賞したとのことでした。
総監督として、一部出資し、内容的に関われる立場を確保して、脚本の90%は実現できたということですが、そのこだわりぶりはやはり千葉大学の工業デザイン卒業後一度就職するも、スピンアウトしてデザインの世界でやりたいことを表現したいという熱い思いに通じているのでしょう!
そして、お話は東京オンリーピックへ。これは、あくまでもオンリーピクチャーズの略であり、オリンピックをもじったものではないそうです(笑)。
日本人12組と外国人3組のショートフィルム監督や映像作家によるオムニバス形式の作品で、架空の競技によるスポーツの祭典というオリジナル映像集です。
真島氏は総監督を務めながら、開会式と閉会式と2競技を制作されています。11社のスポンサーがつき、8月に北京でオリンピックの開会式が行われる中、新宿でオンリーピックの開会式が上映されるということとなり、9月にはDVD発売という慌ただしいスケジュールだったそうです。
中でも真島氏制作の「親離れ」はハンマー投げの代わりに母親を遠くに飛ばす競技で、投げる時に各国語でマミーと叫ぶ目に焼き付くブラックユーモアと男の子の持つメランコリズムなどが複雑に絡み合った作品です。その他にDVDには一般公募のコンテスト作品もあり、参加型の楽しみ方ができるところも素晴らしいですね。
今後もユーチューブなどを使いながら、海外のクリエイターたちとも作品制作を続けてスケールの大きい作品に挑戦されるそうですので、今後の発表に期待したいと思います。
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