■ ロボットの中にすむ時代?
NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」の一環として設立された「RTC再利用技術研究センター」が秋葉原ダイビル産学連携フロア13階に入居し、新しくアキバテクノクラブメンバーとなりました。
今回の交流会は、当プロジェクトリーダーである東京大学大学院 佐藤教授(情報理工学系研究科
知能機械情報学専攻)にご講演いただきました。
タイトルは、『ロボットの中にすむ時代? 〜21世紀はロボットの世紀〜』、講演内容は、第一部「ロボットの歴史」ということで過去から現在までの基本技術の発展状況を、第二部では「ロボットのイメージ拡大」ということで周辺の社会インフラ整備によってどのように利用技術が進展していくかを、第三部では「ロボットに囲まれた未来生活」ということで民生技術の時代を迎えると我々の未来の生活はどのように変化していくかを、自動車産業の成長と対比しながら、一部映像情報も交えて解説いただきました。
具体的には第一部では、20〜30年前の基本技術が現在どのようになったかということで、1970年に日本で開発した世界初のハンドアイシステムのビジュアルトラッキングによる高速ハンドリング化の実現、ジャンピングロボットからホッピングロボットへの改良、エクソスケルトンロボットから100kg程度の荷物を運べるロボットスーツへの発展、ロコモーション技術における自動車の自動運転、などにロボット基本技術の進歩がみられるとのことです。
第二部では、我々の生活空間としての社会インフラである部屋とか作業空間をロボット化するという環境型ロボットの進展の状況について、ロボティックルームの概念から、実際に5年かけて開発したロボティック病室の仕組みなど、またロボットの動きが喜びや悲しみの表情に見えるという心理学的に注目し、ダーウィンの動物表現行動の観察やバレエの表現まで関連研究分野が横にも縦にも拡大している状況、省電センサー内蔵のオフィスビルやセンサーとハイパーロボットによるセンシングルームなどのプロジェクトの状況を解説いただきました。
またこのような背景の中から知能モジュールの再利用と共同利用の社会的要請が生まれ、産学連携フロア13階のRTC再利用技術研究センターも誕生したとのことでした。
第三部ではロボットの中で生活する時代ということで、個人の生活パターンのデータを焦電センサーなどで収集してデータベース化し、個人の行動や脳の動きを予測したり、異変を感知し、それぞれに対応したサービスを提供する時代が来るとのことで、すでにGoogleの個人別広告やオンデマンドバスの研究などにその先進事例を見ることが出来るとのことで、これらの人の脳の情報世界とロボット脳の情報世界と社会の情報世界をネットワークで結ぶことで社会をデザインするとおもしろい世界をつくれるのではないかと佐藤先生は提唱されていました。
そしてその状況は、いろいろなサービスができるロボットの脳に囲まれた生活をするイメージとなります。長生きをして21世紀後半の豊かな生活を楽しみたいですね。
(写真をクリックしていただくとご講演の様子がご覧いただけます)
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