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  第44回アキバテクノクラブ交流会を開催しました
  (共催:秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会)


ご講演

■ ロボットの中にすむ時代?

 NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」の一環として設立された「RTC再利用技術研究センター」が秋葉原ダイビル産学連携フロア13階に入居し、新しくアキバテクノクラブメンバーとなりました。
 今回の交流会は、当プロジェクトリーダーである東京大学大学院 佐藤教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)にご講演いただきました。
 タイトルは、『ロボットの中にすむ時代? 〜21世紀はロボットの世紀〜』、講演内容は、第一部「ロボットの歴史」ということで過去から現在までの基本技術の発展状況を、第二部では「ロボットのイメージ拡大」ということで周辺の社会インフラ整備によってどのように利用技術が進展していくかを、第三部では「ロボットに囲まれた未来生活」ということで民生技術の時代を迎えると我々の未来の生活はどのように変化していくかを、自動車産業の成長と対比しながら、一部映像情報も交えて解説いただきました。
 具体的には第一部では、20〜30年前の基本技術が現在どのようになったかということで、1970年に日本で開発した世界初のハンドアイシステムのビジュアルトラッキングによる高速ハンドリング化の実現、ジャンピングロボットからホッピングロボットへの改良、エクソスケルトンロボットから100kg程度の荷物を運べるロボットスーツへの発展、ロコモーション技術における自動車の自動運転、などにロボット基本技術の進歩がみられるとのことです。
 第二部では、我々の生活空間としての社会インフラである部屋とか作業空間をロボット化するという環境型ロボットの進展の状況について、ロボティックルームの概念から、実際に5年かけて開発したロボティック病室の仕組みなど、またロボットの動きが喜びや悲しみの表情に見えるという心理学的に注目し、ダーウィンの動物表現行動の観察やバレエの表現まで関連研究分野が横にも縦にも拡大している状況、省電センサー内蔵のオフィスビルやセンサーとハイパーロボットによるセンシングルームなどのプロジェクトの状況を解説いただきました。
 またこのような背景の中から知能モジュールの再利用と共同利用の社会的要請が生まれ、産学連携フロア13階のRTC再利用技術研究センターも誕生したとのことでした。
 第三部ではロボットの中で生活する時代ということで、個人の生活パターンのデータを焦電センサーなどで収集してデータベース化し、個人の行動や脳の動きを予測したり、異変を感知し、それぞれに対応したサービスを提供する時代が来るとのことで、すでにGoogleの個人別広告やオンデマンドバスの研究などにその先進事例を見ることが出来るとのことで、これらの人の脳の情報世界とロボット脳の情報世界と社会の情報世界をネットワークで結ぶことで社会をデザインするとおもしろい世界をつくれるのではないかと佐藤先生は提唱されていました。
  そしてその状況は、いろいろなサービスができるロボットの脳に囲まれた生活をするイメージとなります。長生きをして21世紀後半の豊かな生活を楽しみたいですね。

(写真をクリックしていただくとご講演の様子がご覧いただけます)

トークセッション

■ 社会の要請とビジネスモデル

 機械系と知能系とセンサー系の三つの技術が一体となってロボットになると定義づけている妹尾先生に対し、これら技術の中で特にセンシングとコンピューティングとアクチエーションの技術が重要であるが、さらに生物あるいは人間に似た機能が具備されたものと定義している佐藤先生とは、ロボットの定義の共通部分を相互に認識するところからトークセッションは始まりました。
 トークセッションの中では、「ロボットの実用化をはかる尺度とは?」、「最近話題のサービス工学とロボットとの関連は?」、「生涯を共にする自分の伴走ロボットとは?」等々の興味深い議論が繰り広げられました。
 「ロボットの実用化をはかる尺度とは?」では、ロボットと一緒にいる時間を設定して、例えば1日の10%を一緒に過ごす様になった時に、また空間におけるロボット占有率があるレベル以上になった時に、ロボットとの関わり方がドラスティックに変わるのではないかとのことです。
 「最近話題のサービス工学とロボットとの関連は?」では、サービス工学が学問として進展するにつれ、個人にとってどうサービスがあるべきか、どんな段取りが必要かなどサービスをデザインする手法も開発されることで、これからのロボットのデザインもよりサービスという観点から改良されていくものと期待される。
  同じことを繰り返すことができるロボットは、サービス工学の基礎となる個人の日常生活のデータ集積のための定量化ツールやリサーチツールとして有用で、その成果がロボットの発展にもフィードバックされるものと考えられるとのことであった。
 サービス工学とロボットとの関連の議論のなかで、「人はどう生きたら幸せかというところから考えないと本当のサービスにならず、社会の要請とビジネスモデルというサービスイメージを組み合せて新しい領域をつくり、技術だけではなく社会に受け入れられるロボットでない」という佐藤先生の持論には、人生観も関わってくるという点でと妹尾先生も全く同意されていました。

(写真をクリックしていただくとトークセッションの様子がご覧いただけます)

懇親会
■懇親会も盛り上がりました!

 トークセッションで議論となった「生涯を共にする自分の伴走ロボット」とはどの様なロボットだろう?!などと考えながら、懇親会場の交流ゾーンへ。佐藤先生とは旧知の仲の産総研関口氏の乾杯に始まり、恒例となったPRタイムでも首都大学東京や産総研、そして東京都などの方々がイベント周知を行い、また、妹尾先生から最新著書のご紹介もあり、最後はアキバ住人サイコム・ブレインズ石原氏のアキバのカレーとラーメンの元祖話で美味しく締めくくられました。

(写真をクリックしていただくとPRタイムの様子がご覧いただけます)
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