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  第4回アキバテクノクラブオープンセミナー を開催しました。
       


2011/7/22 第4回アキバテクノクラブオープンセミナー

『東日本大震災以降の防災まちづくり
 〜東京直下型大地震で生き残れるのか?〜』

講演者:目黒 公郎氏
 (東京大学教授・生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター長)

モデレーター:藤田 香織氏
 (東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授)

■東日本大震災の教訓を生かした復興の姿は

 本オープンセミナーでは都市震災軽減工学の第一人者である東京大学教授・生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター長の目黒公朗氏をお招きし、東日本大震災の特性から震災復興のあるべき姿に至るまで、現場感覚に基づく総合的な観点からお話をいただきました。予測技術・防災インフラ・支援制度・組織体制・情報伝播・エネルギー・原発・帰宅困難者といった多岐に渡るテーマについてのイマジネーションを喚起させる明瞭なご解説は、翌朝まで続くのではというほど熱のこもったもので、参加者の皆様、とても真剣な眼差しで聞き入っておりました。  本震災の断層規模が500(km)×200(km)で阪神淡路大震災の約1,000倍の規模であったことや、津波による被災地域ではハザードマップの外側で65%の方が被災されたこと等、具体的な数字を示されることでイマジネーションがより明確になります。また、震災直後のテレビ広告をAC(公共広告)からキャンペーン広告とすることで復興基金獲得や継続的経済活動の対外アピールを狙うことや、震災ユートピアが融解して誰もが優しくなくなる中長期的将来に各地域が自力で生きてゆくための産業構造の変革と地域再編が必要であるといった、厳しくも現実的な方策を提示いただきました。


■首都直下型大地震に備えて
 

  次に、目黒先生のご講義を更に深めるべく、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授の藤田香織氏にモデレーションをいただきつつ、首都直下型大地震に対する「耐震性の確保」の意義とその対応策について、白熱の講義は続いてゆきました。

 関東大震災の火災拡大は倒壊建物による消化活動阻害が大きな原因であったことや、阪神淡路大震災では死亡者の約八割が建物倒壊・家具転倒による地震発生後6分以内の圧死であることから、建物の耐震性向上が圧死や延焼抑制に向けた最優先課題であることをお伝えいただきました。問題点の真の原因を掴まなければ、真の解決策も見えてこないんですね。そして、耐震補強促進に向け、自主的に耐震診断・補強をした者が震災被害時に優先的支援を受けられるようにし、耐震改修実施者を対象としたオールジャパンの共済制度により、約2.2万円/棟の負担で全壊時1000万円の給付が可能となる、画期的な仕組みもご提案いただきました。皆様、やはり備えあれば憂いなしですね!


■「共助」⇒「協助」の仕組みを構築

  アキバテクノクラブが活動するここ千代田区の地域防災計画には、地域住民が織り成すコミュニティー内で共に助け合う「共助」に加え、区外から勤務・買物・観光で流入する昼間区民も含めた「協助」の仕組みを日頃から構築することで、当区の主課題である帰宅困難者問題にも対応することが定められております。

 その為には、災害イマジネーションを高められた多様な職種・立場の人々が、明日にでも起こりうる大震災に向けた対応策を話し合う、「リスクコミュニケーション」の密度が何よりも大切です。交流ゾーンで今晩展開された活発なコミュニケーションも、きっとこうした防災力向上に役立ったことでしょう。


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