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  2013年度第9回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


街歩き

2014/1/23 
2013年度第9回アキバテクノクラブオープンセミナー
       (第13回アバン・フォーラム)
 
 講師:角和 昌浩氏
   (昭和シェル石油株式会社 チーフエコノミスト/
    東京大学公共政策大学院客員教授)
     
 テーマ:
『シナリオ・プランニングできずく/きづく、エネルギー戦略の新展開          
〜不確実性の時代に'ぶれない'対話型の意思決定手法〜 』


■ シナリオ・プランニングの効用とは?  


 平成25年度第9回目のオープンセミナーは、アバンアソシエイツによるアバンフォーラムとの共催形式で開催され、ロイヤル・ダッチ・シェルグループのシナリオプランニング部門で長年にわたり活動されている角和昌浩氏にお越しいただき、将来の展開が不確実な未来を語るための手法の意義について、エネルギーに纏わる様々な予測事例とともにお話をいただきました。

 はじめに、石油価格の予想が大きく裏切られてきたことを事例に、長期でのビジネス環境想定の難しさをお伝えいただきました。これは、過去のトレンドに考え方が拘束されること、計量分析モデルでは過去と不連続なトレンドを描きにくいこと、将来を見通すためのデータ入手が困難であることが、その主要因となっているようです。

 このように、未来予測が困難な中で、企業経営者が将来のビジネスに大きく影響する決断を下すにあたり、シナリオ・プランニングの手法を活用するとで、将来への見通しを複数持て、見通しが外れた場合のリスクも計れ、取るべき対策を事前に考えることができるという効用があることをお伝えいただくと共に、シェルグループが1973の石油ショックを予見し、成功してきた経緯について詳しくご紹介いただきまし

(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

亀戸梅屋敷

■ あなたはどちらの世界に賭けるか?


 次に、国際石油価格の形成メカニズムの変化やシェール革命がエネルギーの未来予測を更に困難にすることをお伝えいただいた後、シェルグループの最新シナリオ作品を提示いただきました。

 それは、現代社会の観察にあたりキーとなる3つの視覚である、貧富の格差、リーダーシップのあり方、ITによるネットワーク化を通し、未来社会のありようを占うものでした。

 第1の極は、「マウンテンズ」の世界。この世界では、官民エリートと既得権者の連携により格差が固定化し、政府の強力なリーダーシップの下、シェールガス開発が進み、天然ガスが主要エネルギーとなり、また、CCSや原発の維持を通し、温暖化問題への実効ある対応も成されます。

 第2の極は、「オーシャンズ」の世界。この世界では、既得権階層支配への強い不満を背景とする改革の進展により中間大衆層が隆盛し、エネルギー需要の増大による需給逼迫下で太陽光発電等の省エネ技術が伸展する一方、原発やCCS基地への反対運動激化により地球温暖化が進み、自然災害が多発します。  

 そして最後に、シェルグループの立場は、どちらの世界も同様に起こりうると捉えていることが示され、会場一杯に、この壮大な思考実験への感嘆が充満するとともに、シナリオを実際のビジネスでどのように活用すれば効果的か、といった興味津々な質問の数々が、その後の懇親会でも引き続き活発に成されました。

(写真をクリックいただくとご講演および懇親会の様子がご覧いただけます)
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