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  2014年度第3 回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


ご講演

2014/6/19 
2014年度第3回アキバテクノクラブオープンセミナー
       

 講演1:
 「3Dプリント:その光と闇の考察について」
   笹渕 正直氏 
  〔SPEED株式会社 代表取締役〕

 講演2:
 「3D技術を共通基盤とした日本文化とジャパンメイド」
   荻野 健一氏 
  〔デジタルハリウッド大学大学院 教授〕


■ 3Dプリントの更なる普及に向けて      


 平成26年度第3回のオープンセミナーでは、3Dプリントに纏わる現状と課題に加え、地域におけるモノづくりへの影響と展望についても知見を深めることのできる会となりました。
 はじめに、3Dコンテンツのマーケットプレイスを日本で展開中である、SPEED株式会社代表取締役の笹渕正直氏より、「3Dプリント:その光と闇の考察について」をテーマとし、3Dプリントの可能性と、普及に向けた課題についてお話をいただきました。
 かつては1,000万円クラスの機器であった3Dプリンタは、基幹ノウハウの特許切れによる低価格化により、現在では10万円以下と、一般消費者にも手の届くものになってきました。
 3Dデータを3Dプリンタ用に変換した後、各種積層造形技術により立体造形を行う3Dプリントは、ものづくりユーザーに加え、今後は、住宅CADや3DCGのユーザーにも広がる見込みで、経産省の試算によると、世界経済への波及効果は、2020年に21兆円と予測されています。
 オンデマンド造形による製品の在庫リスク縮小、物流コストの削減、3Dスキャナとの組み合わせによる造形ポテンシャルの拡大等、様々な可能性が期待されています。
 一方、造形可能な大きさに制約があること、3Dプリンタ用のデータ変換に多大な労力を要すること等、普及に向けた現状の課題をお伝えいただくとともに、3Dスキャナ普及時のスキャンデータ著作権の帰属といった知財の課題、昨今話題となった銃製作等、製造物の安全性確保といった利用環境の課題についても示唆をいただきました。

(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

ご講演&懇親会

■ モノづくりのオープンイノベーションにおける3Dプリントの可能性


 次に、デジタルハリウッド大学大学院教授の荻野健一氏より、台東デザイナーズビレッジを核として地元のモノづくり企業を束ね、その活動を地域にPRするイベントである「モノマチ」を参照しつつ、これからのものづくりのあり方と、その中での3Dプリントの可能性についてお話いただきました。

 今後、日本発ものづくりのブランド力を高めるにあたって、新進気鋭のクリエイターと豊かな伝統文化を継承する職人とのマッチングを核とするキュレーション力の強化、現代技術と伝統工芸との創造的組み合わせによる海外へのアピール力の強化等が鍵になる。

 また、こうしたものづくりの世界に、米国アップル社に代表されるオープンイノベーションの仕組みを取り込み、製品のデザインや企画・開発を日本で担い、大量生産工程は海外にアウトソーシングすることが求められる。

 その際、プリプロダクション工程でのプロトタイプの製作に3Dプリントの威力が発揮されることや、安価な造形が可能になることにより、音楽におけるインディーズのような、小規模かつ草の根的なものづくりレーベルが次々に育ってゆくことが、ものづくり立国に向けたコンテンツ創出力の底上げにとっても望ましいことを示唆いただきました。

 今回は、女子大生にも参加をいただき、その後の懇親会でも、柔らかで若い感性も交えつつ、3Dプリントが開く未来に因んだクリエイティブな話題が華咲くアキバの夜となりました。

(写真をクリックいただくとご講演および懇親会の様子がご覧いただけます)
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