アキバテクノクラブ
イベント
コンセプト
イベント
メンバー活動紹介
ATCメンバーリスト
ポッドキャスティング
イベントスケジュール
+お問い合わせ
+サイトポリシー
+個人情報保護について
ホームへ戻る



  2015年度第7回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


講演会の様子

2016/1/28 
2015年度第7回アキバテクノクラブオープンセミナー
       
 
講師:小板橋 太郎 氏/株式会社日本経済新聞社
          日経電子版ビジネスリーダー編集長

テーマ:
「日立再建2000日から読み解く、  『巨象』が動くとき」
〜経済・社会の激流をのりこえる企業変革のリーダーシップ〜
    
■ 最も日本的な大企業のV字回復はいかに成されたか
 

 平成27年度第7回目のオープンセミナーは、アバンアソシエイツによるアバンフォーラムとの共催形式で開催され、日本経済新聞社の電子版ビジネスリーダー編集長である小板橋太郎氏にお越しいただき、最も日本的な企業で"不沈艦"とも呼ばれた日立グループの正体と、5年に及ぶ大改革について、本質に迫るお話をいただきました。

 はじめに、小板橋氏が編集長をされている、日経電子版のビジネスリーダーについて紹介をいただきました。2010年にスタートした電子版は、現在有料会員数が43万人へと伸び続けており、2015年11月にフィナンシャルタイムズを傘下に置くことで、世界最大の経済メディアとなりました。また、ビジネスリーダー欄に週1のペースで登場する「コンフィデンシャル」は、企業動向の深堀りレポートとして日経電子版の看板コラムとなっているとのこと。必見ですね。

 次に、小板橋氏の著作である「異端児たちの決断/日立製作所 川村改革の2000日」のエッセンスとして、2009年に7873億円という製造業で最大となる赤字を計上した日立が、同年3月より、69歳で抜擢された川村社長により、社外人材活用による「6人組」体制で大改革されてゆく経緯についてお話いただきました。低利益に苦しむテレビ等の「組立て事業」に見切りをつけ人員整理を断行し、比較的利益率の高い、インバータやタービン等の「部品事業」と、鉄道システム等の「ソリューション型事業」を組み合わせ、「社会イノベーション事業」として日立の中核事業へと育て上げることで、筋肉質な会社に蘇ってきたのです。


(写真をクリックいただくとまち歩きの様子がご覧いただけます)

講演会

■  「異端」を起用する懐の深さも大切
 
  更に、日立OBが牛耳り、日立本体の思い通りに動かすこともしばしば困難だった日立系上場子会社を本体に吸収する努力が成され、その為に必要となる増資のため、投資家の厳しい視線にも晒された経験から、各部門が決算発表を行う「日立IRデー」といった斬新な取り組みへとつながっていったようです。そして、日立の現取締役12名の内、8名が社外、4名が外国人、2名が女性等、外部の鋭い意見を経営に取り入れ、「異端」の存在も許容する社風が活力向上につながり、「社外の人が決めてよいのか」という意見に占められることの多い同業大企業の東芝が沈んでいるのと好対照の業績を生み出しています。

 最後に、低利益に苦しみ、あらゆる面で曲がり角に来ている日本の大企業に日立の教訓を生かすべく、日立改革の3大要素として、会社の周縁からの人材起用、外部の目に晒され裸になる、「異端を起用する」仕組みを作る、とまとめていただきました。

 ご講演後の質疑応答では、長老主義で官僚的な日本の大企業の変革に係わる質問から、新聞の電子化・無料化が進展する中での新たな儲け方に係わるご意見まで、刺激的なご講演を受けた会場とのバラエティーに富んだ意見交換が成され、その後の活気溢れる交流会へとつながってゆきました。



(写真をクリックいただくご講演の様子がご覧いただけます)

  ▲topへ →アーカイブリストへ