2016/4/14
2016年度第1回アキバテクノクラブオープンセミナー
講師:荻野健一 氏/デジタルハリウッド大学大学院教授
テーマ:「秋葉原の魅力を語る」
2016年第1回のアキバテクノクラブオープンセミナーは、東東京を中心に場作りやイベント、コアワーキングスペースなどに関わる人々が集まるイッサイガッサイとの共催で行われました。 イッサイガッサイでは2〜3ヶ月に一回、毎回地域を変えて交流会を行い、開催地域での活動を紹介しています。 今回はアキバテクノクラブとの共催ということで、デジタルハリウッド大学大学院教授 荻野健一氏に「秋葉原の魅力」をご講演いただいた後、秋葉原を中心に活動されている5団体の代表によるショートプレゼンテーションが行われました。
■ 共創する街 〜「伝統」×「現代技術」〜
講演会では、デジタルハリウッド大学大学院教授 荻野健一氏から「アキバの魅力を語る」と題して、秋葉原を中心に広がる周辺地域の特色を生かし、共創する街づくりの構想が披露されました。
荻野氏の提唱する共創のためのキーワードは3つ 「連」「結」「講」。
「連」では異なる文化を持った人たちが連を組むことによって新しい文化が生まれ、「結」では連で生まれた新しい文化を市場化するために、事業共同体を構築します。そして「講」は江戸時代お伊勢参りに行くための資金を共同出資したお伊勢講があったように新しい事業のために共同出資する、今でいうクラウドファンディングです。これらの仕組みをうまく使いながらやっていくことが共創する街づくりで一番大事なことだと強調されました。 また、「三方よし」すなわち「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方がうまくいくこともポイントだとのことでした。
さらに、荻野氏によれば、共創するまちというのは女性の発する「カワイイ」と相関関係があるそうで、「モノ」に共感して「カワイイ」といい「コト」に共感して「タノシイ」といい、ヒトと共有して「いいね」という流れが大切で、まずは「カワイイ」「タノシイ」と思ってもらい、最後に「いいね」でヒトに伝えてもらうことが大事だということでした。
秋葉原という街は、まず神田明神から始まり、大名たちの生活を支える職人たちの町としての秋葉原、さらには、鉄道の引き込み線がひかれたことで、青果市場となった秋葉原、戦後の闇市からラジオが作られ、世界の電気街になり、パソコンが一般的になると、パソコンやゲームからアイドル、フィギア、アニメへとこの秋葉原には様々なものが積層化されて残っています。
江戸時代、戯曲作家や絵師、摺師、歌舞伎役者が作品を産み出し、版元、商人、問屋がお金を出して商品化していました。 今秋葉原でおこっているサブカルチャーの動きはこれと似ており、江戸時代からの連や結(ゆい)に通じるものがあります。「オタク」「商人」、「職人」「アイドル」がIoTを使って一緒に活動したり、DMM.makeのようなモノづくりの場があり、Akiba TVのようなメディアもあり、それをつなぐファンもいて秋葉原には「連」や「結」の仕組みを使って面白いことができる要素があるとのことでした。
さらには秋葉原や池袋は「楽市・楽座」として、モノづくりは台東区に、中野はものがたりを創るクリエータがいて、それらが連座することによって面白いことができるのではないかなど広域連携の話まで、「連」「結」「講」、「楽市・楽座」というキーワードで秋葉原のもつ魅力とこれからの可能性を語っていただきました。
(写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます)
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