2016/5/19
2016年度第2回アキバテクノクラブオープンセミナー
　　　　　　　
　
講師：
佐藤　雅樹 氏
/株式会社ヤマハミュージックジャパン　事業開発部　部長
安間　尚美 氏
/株式会社ヤマハミュージックジャパン　事業開発部
　音楽の街づくり推進課　課長
　　　 　 　　　　
テーマ：「『おとまち』で育む地域コミュニティ」 　　　　 　
　

■ 楽しみながら育むコミュニティ
　
　2016年度第2回目のオープンセミナーは、ヤマハミュージックジャパン事業開発部の佐藤雅樹氏及び安間尚美氏にお越しいただき、音楽を通して人と人とをつなげ、地域コミュニティを楽しみながら育んでゆく「おとまち」の活動について、各地での実践例と共にわかり易くお話をいただきました。
　はじめに、JR水戸駅の駅ビル「エクセル」を舞台に結成された、レディースビッグバンドについて紹介をいただきました。
　吹奏楽等の音楽活動が盛んな水戸の地にあって、人々が毎日集まる駅を、ただ通過する場所から、楽しみながらコミュニティーが生まれる場所に変えてゆきたいという、駅ビル運営事業者である水戸ステーション開発の想いと共に、市民バンドメンバーなどが集まる地元楽器店である「かわまた楽器店」のサポートも得て実現したこのプロジェクト。
　主婦の方たちでも参加しやすいよう、昼間に練習時間を設定するなどの工夫が成され、駅コンコースでの公開練習や、東京駅での出張コンサート等、ユニークな活動を続けて約3年。自立的な活動への更なる発展が期待されます。　

（写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます）

■ 　市民の市民による市民のための音楽祭
　
　　更なる舞台は、「渋谷」の街です。「未来に向かって急速に変わって行く渋谷の街を、音楽の力で盛り上げたい」という桑原敏武前渋谷区長と、その想いに賛同した渋谷駅周辺の商店会によって発足した実行委員会の依頼を受け、市民参加型の音楽祭が企画されました。
　市民ボランティアで結成された「チーム・ズンチャカ！」による企画運営で、2015年8月に第一回「渋谷ズンチャカ！」が開催されました。
　みやしたこうえん会場と桜丘会場を結び、国道246号線を跨ぐ音楽パレードに約300名の市民が加わるなど、誰もが参加できる大盛況なイベントとなり、今後の更なる盛り上がりが楽しみです。

　最後に、地方の豊かな自然や、そこに住む人々の笑顔などの風景資産を、映像と音楽を通して表現し、その地域の価値を高める、「地産地”聴”」をキーワードとするサウンドツーリズムへの取り組み等、「地域ならではの音を皆で楽しむ」という音楽の原点を大切にされる、ヤマハおとまちさんの更なる活動の方向性についても熱く語っていただきました。

　ご講演後の質疑応答では、音楽まちづくりのプロデューサーに求められる資質に係わるご質問から、ビジネスとして成立させる可能性に係わるご質問まで、刺激的なご講演を受けた会場とのバラエティーに富んだ意見交換が成され、その後の活気溢れる交流会へとつながってゆきました。

（写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます）