2017年度第6回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
(共催:新ケミカル商事株式会社)
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2017/11/21
2017年度第6回アキバテクノクラブオープンセミナー
(共催 新ケミカル商事株式会社)
演者: 落語 三遊亭鳳志師匠 「中村仲蔵」
講談 一龍斎 貞弥 「仮名手本忠臣蔵より5段目」
■ 古典芸能をより楽しむために。
今回のセミナーは6月に好評をいただいた「古典芸能を楽しむ会」の第2弾としまして前回もご登場いただいた三遊亭鳳志師匠に落語「中村仲蔵」を一席、またこの落語を楽しむための前解説として一龍斎貞弥さんに仮名手本忠臣蔵五段目の内容を講談でお話いただきました。
本公演に入る前にはウェルカムドリンクをいただきながら、落語「中村仲蔵」をより楽しんでいただくために、鳳志師匠と貞弥さんのお二人に「中村仲蔵」の時代背景について楽しく解説していただきました。
江戸時代の歌舞伎は庶民の楽しみのひとつであり、朝早くから夕方まで1日楽しんだこと。
仮名手本忠臣蔵は11段目まであるため、4段目くらいで観客もへとへとになり、5段目は弁当幕(観客が弁当をたべる時間)と呼ばれるような場面であったこと。
歌舞伎役者も家柄が大事で、名題(芝居小屋の正面に役者の看板があがること)となるのは至難の業であったことなど歌舞伎の舞台裏の解説あり、今回のテーマである仮名手本忠臣蔵の名前には「仮名(いろは47文字)」と「四十七士」が、忠臣蔵には忠臣のつまった蔵と大石内蔵助の「くら」をかけているなど、江戸の洒落っ気についても解説いただきました。
中村仲蔵がどのような工夫をして名題になることができたのか、皆の関心が高まったところで、場所を移して本公演となりました。
(写真をクリックいただくとウェルカムドリンク&ミニ解説の様子がご覧いただけます)
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■ 講談「仮名手本忠臣蔵五段目」
前解説で関心が高まったところに、一龍斎貞弥さんが再登場。
講談はもともと太平記などを徳川家康の前で語ったのが始まりで、町の辻で太平記を語るようになり庶民にひろまったのだそうです。
講談師は現在80名ほど。イリオモテヤマネコぐらいの珍しさだそうで、軍記もの、政談を語るというと男性が多いのかと思いきや、女性が半数を超えるのだそうです 。 今回、落語「中村仲蔵」でキーワードになる「仮名手本忠臣蔵の五段目」は、講談にはないところを、貞弥さんにオリジナルで作っていただきました。
赤穂浪士の討ち入りがあったのは元禄、五代将軍徳川綱吉の時代。町人文化華やかなりし頃。そんなところに起こった赤穂浪士の討ち入りはたいへんな評判となり、四十七士の切腹の12日後には中村座でこの討ち入りが上演されるほどの関心をもたれた事件でした。
1段目から4段目までは、浅野内匠頭(塩冶判官)が吉良上野介(高師直)の仕打ちに耐え兼ねて、松の廊下で刃傷沙汰に及び、切腹するところまでが描かれます。
5段目の登場人物は5人。勘平、お軽、お軽の父与市兵衛、千崎弥五郎、そして斧定九郎です。
釈台を張り扇で叩き、身振り手振りも交えながら、五段目、山崎街道の夜道で繰り広げられるドラマに、あっという間の30分でした。
(写真をクリックいただくと講談の様子がご覧いただけます)
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■ 落語「中村仲蔵」
休憩を挟んでいよいよ鳳志師匠の落語「中村仲蔵」が始まりました。
落語「中村仲蔵」は門閥外出身の歌舞伎役者中村仲蔵が、精進して名題下にまでなったものの、仮名手本忠臣蔵の五段目「斧定九郎」という、せりふも一言しかない役を振られ失望。しかし妻の励ましを得て斧定九郎の役を工夫し、後世にのこる名優となったという人情話です。
実在の歌舞伎役者の話を元に作られたこの落語、現在の斧定九郎の拵えはこの中村仲蔵が工夫したものが定番となっています。 中村仲蔵の工夫前とそれ以降の拵えの違いや、中村仲蔵が斧定九郎の成功を祈願する「妙見様」、五段目がどのような幕であったかなどを前解説や講談で詳しく聞いている分、江戸時代の歌舞伎役者の話がストレートに伝わったのではないかと思います。
参加者の皆さんから「楽しい会だった」との嬉しい感想をいただきました。
良い雰囲気で行われた今回の公演。解説からオリジナル講談の制作まで工夫していただいた鳳志師匠と一龍斎貞弥さんに感謝です!!
(写真をクリックいただくと落語の様子がご覧いただけます)
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