■ 具体的な3つの事例
まず事例1では、つくば市にある「つくばりんりんロード」の活用を通じて一帯を聖地化しようという試みを、荻野教授から紹介いただきました。インバウンド観光客に対して、自転車を使って日本を楽しむことを目標に、まずはつくば市と土浦市を中心に自転車で楽しめるソフトとハードを整備して、その成果を日本各地に水平展開して、自転車を使って各地の埋もれている資源を繋げてメニュー化していくとのことで、第2弾は「しまなみ街道」を舞台に実証実験を続け、2018年度中には、事業化にシフトすることを目標にするとのことでした。つくば市での実証実験の模様は、週末編集部ということで http://weekend-editors.club/ に紹介されていますが、高校自転車部をモデルにした人気アニメ「弱虫ペダル」の声優を招いて360度VRカメラと自転車を使ったオープニングイベントを開催したとのことで、この様子も動画で紹介されました。
事例2では、富山県南砺市にある一般社団法人地域発新力研究支援センターの徳武事務局長による、アニメ制作会社PAworks http://www.pa-works.jp/ とのコラボによるアニメツーリズムということで、アニメや漫画を地域振興に結び付けて、地場産業の振興や観光客誘致を行っている事例が紹介されました。
事例3では、当初登壇予定の桑野和之氏が新幹線遅延のために会場に到着出来ないというハプニングのなかで、株式会社ドリームプラネットのクールジャパン担当の責任者である加藤喜洋子氏から、海外のアニメやマンガの愛好家と日本のおたく、アニメ会社、ゲーム会社などをつなぐイベント実施を通じて得られた経験をもとに、海外の愛好家がいかにしてアニメやマンガの持つ世界観を共有するか、またそのためにスマホやSNSがどのような役割を担っているかを説明され参加者全員が納得することとなりました。
事例紹介の後はパネルディスカッションということで、海外のインバウンド観光客がどのような楽しみ方をもとめているか、またどのような「おもてなし」を望んでいるのか、といったテーマで議論が続きました。またアニメやサブカルチャーというサブの位置づけから正規のカルチャーに出世することで、逆に失ってしまったものも沢山あり、今後の海外の愛好者が今までのように増え続けるかどうかは疑問という警鐘意見も述べられました。
■懇親会では全員参加のQ&Aの続きが
講演の後は恒例の懇親会となりましたが、当然のことながら参加者の多くが聖地創生というテーマにかかわりが深く、いくつかのグループに分かれて様々な議論となり、時間経過を忘れて議論を続けることとなりました。
(写真をクリックいただくとトークセッション及び懇親会の様子がご覧いただけます)
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