2018/3/30
2017年度第8回アキバテクノクラブオープンセミナー
【講師】土山 浩之氏
/NHK大阪放送局制作部ディレクター
【講談師】神田織音師匠
■ 「戦場の花嫁〜愛に生きた女城主」
第8回アキバテクノクラブオープンセミナーは、岐阜県恵那市岩村城の女城主として数奇な運命を生きた「おつや」をテーマに、NHK大阪放送局プロデューサーで「歴史秘話ヒストリアで「戦場の花嫁〜愛に生きた女城主」をプロデュースした土山浩之氏と、新作講談として「おつや」の物語をよみがえらせた講談師 神田織音さんをお迎えし、それぞれの描いた「おつや」をご披露いただくとともに、その生涯をたどって感じたそれぞれの「おつや」像についてもお話しいただきました。
まずは、昨年5月に放送された歴史秘話ヒストリア「戦場の花嫁〜愛に生きた女城主」を見た後、土山氏にプロデューサーの視点から「おつや」像をお話しいただきました。
土山氏によれば「歴史秘話ヒストリア」は「歴史を驚きと共感をもって楽しむエンターテインメント」番組で、当初「おつや」の物語は「悲劇の主人公であること」や、「信長の叔母でありながら、敵方の武将と結婚し最後には呪いの言葉を吐いて処刑された」というストーリーが番組の趣旨にふさわしくないとしてなかなか企画が通らなかったそうです。
けれども、取材を進めていくうちに、勝者信長の視点で見ていた悪女「おつや」像を「おつや」目線で捉え直すことにより、新しい「おつや」像が浮かび上がってきたそうです。
そして中世という時代に生き、家の存続のために何度も結婚することが当たり前という価値観から、敵将秋山虎繁から戦場でプロポーズされ、まるでロミオとジュリエットのような禁断の恋に落ち、「家族愛」に価値を見出すに至った「おつや」に「おどろきと共感」が得られると確信したそうです。
また撮影のために訪れた恵那には岩村城の石垣や井戸がそのままの姿で残っており、当時の空気を感じることができるロケーションが素晴らしかったことや、「おつやと秋山」の塚がきれいに手入れされ、地元民に愛されているとも感じたそうです。
(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)
|