2021/1/14
2020年度第2回アキバテクノクラブオープンセミナー
講師:亀井 善太郎氏 /PHP総研主席研究員 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授
テーマ:「日本の新時代ビジョン
『せめぎあいの時代』を生き抜く楕円型社会へ」
■ 現代は「せめぎあいの時代」
コロナ禍での第2回のオープンセミナーは、アバンアソシエイツとの共催でオンラインセミナーという形での開催となった。
約3年前に鹿島平和研究所とPHP総研によって立ち上げられた「新時代ビジョン研究会」の活動成果として、昨年10月に「日本の新時代ビジョン『せめぎあいの時代』を生き抜く楕円型社会へ」がPHP新書から刊行された。
今回の講演では、同研究会の総勢24名の有識者の議論を中心的に取りまとめてきた亀井善太郎氏にご登壇いただき、ご講演後に研究会メンバー5名と共に議論の場が設けられた。
講師の亀井氏は、我が国では多くの方々が「今、世界の国々が大きく変わる時代の転換期にある」という認識を共有しているが、では日本はどのような国になりたいのか、またどのように変えていくのか、ということになると様々な立場の方々から多くの意見が出され、十分な議論すら行われていないのが現状であるとの認識の中、この状況は多くの価値観や歴史認識、国家感などが重なり合って衝突している「せめぎあいの時代」であると話された。
■ 何と何がせめぎあっているのか?
亀井氏は何と何がせめぎあっているのかを次の4つの視点から説明された。
@ グローバル化と国家の台頭
A 工業化とデジタル化(ポスト産業資本主義)
B 新たなテクノロジーの積極活用とリスク社会化
C ヒエラルキーとネットワーク(タテとヨコ)
このように説明されると、たしかに現在の世界で問題を起こしている発生源、具体的には、米中新冷戦、香港問題、AIの活用、デジタル格差、SNS普及などなど、そのほとんどの問題がせめぎあっていて、旧勢力と新勢力、あるいは現権力と新権力といった背景にある社会も考えると、せめぎあいの根の深さが理解できると話された。
(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)
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