■ 財政を巡っては何が問題か
我が国の財政の状況は、債務残高の対GDP比で1945年の終戦直前と現在を比較すると戦時下よりもはるかに債務が拡大していることをデータは示していて、一般会計における歳入面では消費税が所得税をうわまわり第一位になることで微増の状況にあるものの、歳出面では国債費が増加するだけでなく、コロナ収束のなか社会保険費関係の増加を大幅に上回る防衛関連費の増大があり、肥大化する財政の改革は急務であることを指摘されました。
改革のヒントとしては、医療版マクロ経済スライドの導入効果を含め、年金と医療が中心となる社会保障給付費において、高齢者の人口動態の見通しやインフレの状況や為替レートによる影響などを勘案した中での分析と予測の結果を示され、従来の制度の問題点と解決に向けて「我々は何をどのように選択するのか?」の方向性を明示させる講演となりました。
■ インターネットでの有識者の議論では・・・
今回も講演の後は恒例の懇親会ではなく、インターネットを通じて有識者を交えた議論となったが、経済学者として、行政マンとして、実務家として、といったそれぞれの立場からの意見が出され参加者の理解が深まる議論が展開されました。新型コロナも今年5月から5類に移行する予定であり、来年度こそリアルな場での講演と議論が行われることを期待させる講演となりました。
(写真をクリックいただくと講演と有識者との懇談の様子がご覧いただけます)
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