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2022年度第6回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


講演の様子

2023/3/23                                   
2022年度第6回アキバテクノクラブオープンセミナー
 
講師:小黒 一正氏
/法政大学教授、アバンアソシエイツ顧問

「「コロナ後における日本経済・財政の現状と課題  ―高まる不確実性と我々の選択―」

■ 見通しの立たない日本経済 
 講師の小黒教授は直近10年間にわたり定点観測という形で、マクロ経済学者という立場から我が国の経済や財政の状況を講演されてきましたが、冒頭から「本年度は米国の金利の急上昇や直近のSVB破綻等を受けて全く見通しが立たない中で、金融政策においても多くの選択をしなければ・・・・」と話されて講演はスタートしました。
  講師は毎年財政の問題を中心に話をされてきましたが、本年度は日本経済の将来と財政改革とも緊密に連動する人口動態に着目した現状分析の結果や海外事例を紹介され、「異次元の少子化対策」の議論と選択をどのように進めるべきか、また進めた場合どのような結果が予想されるかのシミュレーション結果を提示され、より深い議論のための道程を示されました。
  また金融政策については、世界の流れが金利上昇傾向にある中で、我が国の金融緩和政策がどのように変わるかについて、日銀新総裁のスタンスや日米の最近のインフレ率の状況や製造業やサービス業の物価上昇の価格転嫁状況などの情報をもとに、講師としての見解を話されました。


(写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます)

見学会の様子

■ 財政を巡っては何が問題か
  我が国の財政の状況は、債務残高の対GDP比で1945年の終戦直前と現在を比較すると戦時下よりもはるかに債務が拡大していることをデータは示していて、一般会計における歳入面では消費税が所得税をうわまわり第一位になることで微増の状況にあるものの、歳出面では国債費が増加するだけでなく、コロナ収束のなか社会保険費関係の増加を大幅に上回る防衛関連費の増大があり、肥大化する財政の改革は急務であることを指摘されました。
  改革のヒントとしては、医療版マクロ経済スライドの導入効果を含め、年金と医療が中心となる社会保障給付費において、高齢者の人口動態の見通しやインフレの状況や為替レートによる影響などを勘案した中での分析と予測の結果を示され、従来の制度の問題点と解決に向けて「我々は何をどのように選択するのか?」の方向性を明示させる講演となりました。

■ インターネットでの有識者の議論では・・・
 今回も講演の後は恒例の懇親会ではなく、インターネットを通じて有識者を交えた議論となったが、経済学者として、行政マンとして、実務家として、といったそれぞれの立場からの意見が出され参加者の理解が深まる議論が展開されました。新型コロナも今年5月から5類に移行する予定であり、来年度こそリアルな場での講演と議論が行われることを期待させる講演となりました。

(写真をクリックいただくと講演と有識者との懇談の様子がご覧いただけます)

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