■ 地域資源としてのサブカルチャー、アジアの視点と若者の視点
中央線のサブカルチャーの研究を続けていく中で、東京都の地域資源発掘プログラムの資金を使って中野文化祭を実施。日本中のサブカルチャーを集めたイベントとなった。イベントを行うだけでなく、これを記録する目的で、「週末編集部」を立ち上げ、女子大生の目線で中野を取材。地域の中に入っていって、取材し、映像化・コンテンツ化していった。
豊島区でもトキワ荘を地域資源にするためのプロジェクトに取り組み、どうやったら、人を集めることができるのかという視点で、まち歩きや、イベントの創造に取り組んだ。
ここでアジア人留学生の心に刺さったのは「マンガの世界がここにある」昭和レトロなものだった。
日本の文化には世界の様々な文化を編集しなおして日本流に変えていくという特徴がある。昭和歌謡が世界で受けているのは、各地の文化の名残を漂わせたメロディに懐かしさを感じるからなのかもしれない。
■ 地域資源としての歴史コンテンツ
ここ数年は、運慶と横須賀のつながりも研究し、文化庁の多言語解説事業として、運慶の仏像を観光資源として生かす取り組みを行った。ただ解説するだけではなく、ギミックとして、日本の文化をマンガで描き、ARでマンガを読める仕掛けを行った。その後鎌倉でも学生に魅力的なキャラクターを描いてもらい、マンガによる解説を実施するなど、歴史的な観光資源をデジタルメディアを使って魅せる取り組みをおこなっている。
ほかにも、たとえば、北前船の研究や、ローカルヒーロ―を作ったり、今後経済を回していく原動力になるであろう腐女子の研究にも取り組んだ。クリエイターが企業に入るための仕組みづくりや、クリエイターの支援にも力を注いだ。日本のモノづくりに触れる機会や場所づくりなど、様々な取り組みを行った20年だった。
(写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます)
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